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「運航所便り」
「大利根」
 だんだん春めいてきました。心なしかここの緑も少しずつ色がハッキリとしてきて飛行場へ行くまでの土手あたりでは菜の花がその彩りを楽しませてくれます。どうぞ皆様大利根飛行場までおいで下さい。
「三保」
 桃の花が咲き、春の気配が感じられる頃になりました。今年は、お正月から西風が強く、連日吹き荒れ、何とも、近年めずらしい事で、まるで、昔に戻った様です。さて、私(池田)は一身上の都合に依りこの度退職することとなりました。思い出せば、私が始めて飛行場に勤めた頃は、冬になると西風が強く、飛べないと言う日が結構ありました。この頃は、そう言う事があまりありませんでしたが、気象が変わったのでしょうか。早いもので今年で、ちょうど20年、長い様な、短い様な、アッという間に過ぎ去ってしまった感じがします。その間には、いろいろな出来事がありました。楽しかった事、悲しかった事。様々な事が思い出されます。でも、飛行場に勤めたおかげで、いろんな人に巡り合えました。私にとって、それは、とても勉強になりました。大変長い間、ありがとうございました。どこかで見掛けられたら、声を掛けて下さい。いつまでも御元気でフライトを楽しんで下さい。
 
 追記
 本部へ電話するとよく「今日はこっちも富士山がよく見えるよ」なんて話が出ますが、毎日こちらでは霊峰富士山が見られます。きっと東京から見える時というのは、よほど天気の良い日にぶつかる以外ないんでしょうね。なんでも見えたときには、すかさず手を合わせ何か祈っているとかお聞きしましたが、はてさて、何を祈っているのでしょうか。勿論こちらでも今日は安全運航をと祈っておりますし、こちらのメンバーはフライト毎、安全運航をモットーにパトロールも兼ねてフライトしております。国道や山林、海上などに不法投棄物がないか今日も頑張っています。
「本部」
 調布飛行場ご近所日記[1]
 とある日の昼下がり、「今日はうららかだなあー」なんて思っていたら一本の電話が。
 主は分かりません名乗りませんでしたから。ご婦人、教養のある(言葉遣いから)、品が良さそう、年輩、府中・調布・三鷹はたまた、小金井のジモラー(地元の人)といった方であろうか、ご質問が。
 「今飛び立った機体は何ですか?」あっ、コレがもしかしたら苦情というものか?
 「いろいろとありますのでチョット分かりませんが」これじゃあ納得しないよなあー。
 「いえね、実は私俳句をやっている者なんですが・・」うわっー、俳句=物静かなお部屋=やはり騒音か?
 「どーしても今飛んでいる機体を知りたいのです。名前とかなんて言う種類のものなのか」
 うーん、コレは本格的になってきたぞ、こちらで対応できるものなのか否か・・と考えていると「あの音、エンジンなのかプロペラなのか分からないんですけどね、なんだか昔聞いた懐かしい飛行機の音に聞こえるんです。すぐに音は消えてしまうし、飛んでいる形は見えないし、何とかそれを俳句にもりこみたいの」という優しげなお声。あっー良かった、苦情どころか興味を持ってくれるんじゃない。それならばと、固定翼、回転翼、単発機、双発機、プロペラ機、セスナだパイパーだ、航空界での単語をお教えさせて頂きました。いまごろどこかの句集にでも調布飛行場とヒコーキという単語が出ているかもしれませんね。ちょっと嬉しい昼下がりでした。








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