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「FS21&HS21SIM体験記」  佐藤 謙一
 
 本紙7月号に掲載の日本ビーテーエー(株)の期待の新製品SIM(シュミレーション以下同)の小型機バージョンのFS21とヘリバージョンのHS21を早速メンバーの佐藤謙一さんが体験されて来ました。そのレポートをお寄せいただいたのでご紹介します。
 
レポートその[1]
 
 小型フライトシミュレーターFS21の体験飛行で、調布のFAMで空に浮き上がる瞬間の尻に感じる体感を忠実に味わえるのが、快感でした。羽田を離陸、横浜ランドマークを目標に高度1500で、その後横須賀上空から三崎にでて、三〇度バンクで施回、四五度にして操舵の感じをつかむ、結構、ラダーに気を使う、足に伝わる舵感も気持ち良い。
 2周して江ノ島に向かい、右に鎌倉の景色を確認しながら、横田(過去に近づきすぎて急旋回で回避経験があり)で着陸を試みるが、高度の感じがつかめず、ゴーアランド後、調布に向かう、ここでも目視の感覚と飛行場の長さがつかめないであきらめ、都内へ。新宿で施回飛行で、ビルの合間を縫い、楽しめる。すぐさま東京湾にでて、羽田に向かうが、ここで失敗すれば、ゲームで終わると、緊張しながら、高度1000で近づく、大井埠頭を左にみて、降下を始め(早めかも)フラップ操作でも風をもろに操舵に受ける感じは実機と同じ、40まで下ろし。速度を調整しながら無事に着陸。
 今回、飛行のアドバイスをしてくれた、日本ビーテーエーの津村氏に誉められ(お世辞かも)一息。再度羽田を離陸、調布に向かい、ここも難なくクリアー。再度反転してフラップなしで無理な離陸でヒヤリとする、でも無事に三鷹方面の景色を確認して、都内の方向に中央線を見ながら、品川まで山手線に乗り換え、品川でバンクの練習、都内では経験できないことが出来るので、舵感を足や手で感じながら、羽田の滑走路をめがけての着陸操作、次第に慣れもでて、目視も安心できるようになり、無事に着陸できました。
 また、エマージェンシーのテストや各飛行場の設定で、風向風速、高度設定をしてトラフィックの練習、回避行動の体験飛行などを試した。教官同乗で、普段はだれかがやってくれる作業の実地訓練等々をほとんど実機と遜色ない手ごたえを感じながら試した。
 ソロの体験を実感することが出来るのも、シミュレーションの世界。こんな楽しい製品がゲームではなく訓練科目で可能になったことは、今後の加齢に伴う、腕の後退要因を少しでも減らせるのではないかと思うと、うれしい限りだ。
 今日は、アクロバットや訓練科目の資料を持たないで行きましたので、再度の挑戦には、過去に教わった科目を紐解いて、安全かつ正確にフライト出来るように挑戦したいものです。
 
レポートその[2]
 
 ヘリの才能、まったく駄目、今回は二回目のシュミレーションの体験。最初に羽田を出発、速度60で離陸は順調そのもの、270度で3ノットの風をいれてもらい、多少のふらつきがあるものの、左に500で施回をして、大井埠頭の上空を通過、丸の内にでて、北上、そのまま荒川の土手のマンションを目指し、無事に山手線に乗車できました。上野で田端を探したが無理、左方向サンシャインを目指し、池袋到着、新宿高層ビルがつぶさに見える、景色最高、新宿で施回練習で30度バンクで渋谷方向、千駄ヶ谷体育館を確認して恵比寿のガーデンプレイスを確認、山手もこの辺は慣れた路、東京タワーの方向にあわせて、飛行1700Fで順調でしたが、タワーから羽田方向に橋を下に見ながら、天王州アイルで1000にしたつもりで、自分ではスロットルレバーを引いたと勘違い、ピッチレバーだけの操作で、あえなく速度が出過ぎて墜落、再度、離陸をさせてもらい、今度は横田(角度よし)で無事にタッチアンドゴーで調布、ここではやはり慣れた飛行場のこと、入りやすく安心でした、フラップを20で再度離陸、中央線で、新宿へ、新宿高層ビルの都庁を中心高度2500で45−50バンクで施回、結構高度を保つのに苦戦、60度までは飛行練習ではデータがでる可能と聞かされていたが、無理でした。新宿をあとにして、渋谷でバンクをかけて東京駅に向かう、皇居の上空通過も懐かしい、品川に向け高度を1500にして先の天王州アイルで、今度はやや低め、風をいれてくれているので、1000になると影響が出てくる、失敗を恐れて低めにもってゆくが、パワーを途中で足すはめになる、降下角度が200程度で無事に着陸、一安心です。
 実機から比べると倍の疲れがどっとでてくる、ミーティングをして、飛行の状況や訓練の方法など今後のあり方を話、今度はヘリに挑戦。これが、まったく、感がつかめない、何回やっても、ホバリングどころか、上昇させると施回に入り、ラダーを踏むと降下になるし、水平の感覚が、翼機とは違うということをいやと言うほど味わう、これは、今後、調布でヘリパイの人の感覚の件の話をしてもらい、その中で自分の舵感を覚えてゆかないとだめ、今回も津山さん始めお世話になりました。毎週でも訓練同様に慣れをもたせて、実機の舵感を継続するためにも、行くようにしたいものです。
 でも二回目で、感じたことは、実機に乗れないから飛行場に行くのをためらうのであるなら、考えを変えて、シュミレーションの世界で、実機同然の飛行訓練を繰り返すことで、気象や飛行条件の把握には、すごく役にたつのでは、と痛烈に感じてきました。
 実機を操作するのと同じ項目が、心配せずに出来るのを実感して、普段乗れない間に舵感を忘れてしまう、各操作感覚の確認作業と、ブリフィーングしたりミーティングや、地上訓練や教官への質問など、上空では出来ない要素、項目がすぐに可能であることがわかった。将来、調布にも1台設置してもらえればなアなどと考えています。
 ゲームではなく、あくまで実機に近いSIM。実機ではプロでも困難であろうことができる、小型フライトシミュレーターFS21のすごさを可能にしてくれた、日本ビーテーエー株式会社にお礼を言いたいです。
 飛行場のみなさんもぜひ体験して、その感じをクラブルームで楽しい話にしようと期待はさらに膨らみます。
 今回の感想をまとめてみました。








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