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「HANGAR FLYING」
レーシング・フォト・クラブ  永井 幸雄
 
 とにかく熱かった今年の夏。といってもまだ夏が終わったわけではなく、厳しい残暑が続くことでしょうが、この夏の特徴は、暑さが昔の暦通りだったようだ。夏至はともかくとして小夏、大暑だ、立秋だ、そして処暑と。秋分には、少しは涼しくなってくれるのかな。しかしそれもまた少々寂しい気がしないでもないが…。
 まだ僕がガキの頃、両親や周りの年長者、いわゆる大人が、こんな季節を話題とした会話を交わしていると、なんだか年寄り染みてるなと思う反面、実に「立派な大人だ!」とも思っていたが、別段立派にならなくとも、人間は自然に、自然(ネイチャー)から学んで行くことが、僕のようなボンクラにも分かったような、この夏の暑さでした。おそらくはクッキリとした年輪が、僕のどこかに刻まれたことでしょう。
 話をパイナップルに戻そう。何が?と、お分かりにならない方は先月号をお読みください。
 今、我が家ではパイナップルが育っている。育っているといっても実が生っている訳ではなく、葉っぱの直径が50センチメートルほどで、高さが約20センチほどだ。この夏の暑さで、さらに元気がいい。これは言うまでもなく4年前に岸田さんが送ってくれたのを、育てたものだ。
 ここでパイナップルの育て方をちょっと披露しよう。まず葉っぱの下に実の部分を一センチほど付けてカット。それを深めの皿に水を張って、実の部分が浸かるようにする。あとは適当な間隔で水が腐らないように取り替えてやると、その内に白いヒゲのような根が出てくるので、また適当なときに、砂を多めにした水捌けの良い土に植え替えてやるという、誠にもって複雑とは全然無縁な方法により、パイナップルは目出度く根付くのであります。僕は今年さらに二つ新人パイナップル君を育て始めました。
 僕が住んでいる目黒はサンマで有名で、タケノコ煎餅という名物もある。これはそれを“開発”したお菓子屋さんが勝手に名物としたらしい。さらにそこには未確認だが、「サンマ最中」というのもあるらしい。
 ということで、あと何年かすると、目黒の名物はパイナップルにとって変わるだろう。この夏の暑さが象徴するよう、日本国が熱帯化してきているのだから、目黒のパイナップルが全国で売られるのも時間の問題だろう。イヤー、暑さのせいで、うわ言を言ってしまった。
 いくらガーデニングが流行りだからと言って、パイナップル栽培はガーデニングとは言わないだろうが、これでこのコーナーを埋めるわけにはいかないから、話題を強引に飛行機に持っていく。
 この記事が届く頃には、リノ・エアレースの真っ只中。9月13〜16日がそうだ。飛行機好きな方は、騙されたと思って、一度は見に行く事を本当にお勧めします。何たっておもしろい。
 第二次大戦の戦闘機が主だった出場機のアンリミテッド・クラス。製造後50余年を経ているとは到底思えないほどに、完全な整備状態。さらにそれにレース改造を施して、性能は戦争を目論んで製造された時より、遙かに上回っているという凄さ。それだけでも一見の価値は十分にある。








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