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「米国でスポーツ・パイロット制度が進展」  和泉 久
 
 米国連邦航空局(FAA)は今年六月一日、米国自作機協会(EAA)が提案していたスポーツ・パイロット及び軽スポーツ航空機(ライト・スポーツ・エアクラフト)制度を認める決定を下した。今後、さらに米国運輸省(DOT)が六十日間をかけて再吟味し、さらに米国行政管理予算局が六十日間をかけて再調査する。
 この新制度は、より手軽にスポーツとしてのフライトを楽しめるようにするため、EAAが提案した制度で、操縦士側の新制度スポーツ・パイロットと、航空機側の新制度軽スポーツ航空機から構成されている。
●パイロット側の新制度のあらまし:[1]スポーツ・パイロットというライセンス制度を創設する、[2]資格取得には、トレーニングとFAAのテストに合格することが要求される、[3]スポーツ・パイロット・ライセンス取得に向けたウルトラライト機でのトレーニングや経験は認める、[4]訓練飛行時間は自家用操縦士よりも少なく、二十時間程度になる、[5]飛行時間は飛行ログに記載する、[6]第三種航空身体検査証もしくは州が発行する運転免許証を取得していること、[7]管制されている空港に近づく場合、事前に許可を電話もしくは無線で得ること、[8]商用行為は行えない、[9]昼間にVFRのみでの飛行に限る、[10]自家用操縦士もしくは事業用操縦士からスポーツ・パイロットヘのライセンス拡張は容易とする、[11]このライセンスで、いく種類かのビンテージ機のフライトは可能。なお、十六歳からスポーツ・パイロットの訓練開始及び単独飛行が行え(グライダーなどは十四歳から)、免許取得試験は十七歳から行える(グライダーなどは十六歳から)。
●航空機側の新制度のあらまし:[1]最大重量は千二百三十二ポンドまで、[2]着陸形態での失速速度は三十九ノット以下、[3]巡航形態での失速速度は四十五ノット以下、[4]最大巡航速度は百十五ノット、[5]最大二人乗り(パイロットと乗客)、[6]昼間にVFRのみでの飛行に限る、[7]工場で製造もしくは簡易組立キット(レディ・ツー・フライト)の場合、FAR(連邦航空規則)パート二三の規定に準じなくてもよい、[8]キットもしくは設計図面購入の場合、エクスペリメンタル(試作機)として認める、[9]エクスペリメンタル「ライト」はウルトラライト・トレーナーなどとして認める、[10]オーナーが整備の責任を持つ、[11]FAAの機体登録を受けられる、[12]保険をかけること及び空港に飛来を喜んで認める、[13]整備士による年次耐空検査を受けること及び修理技術者を養成することを奨励する、[14]回転翼機及びヘリコプターは今回の提案に含まれない。
 なお、機体の方は単発機固定翼機だけで、水陸両用機は認められる。
 EAAでは今年のオシコシ・フライイン「エアベンチャー二〇〇一」にて、このスポーツ・パイロット制度を広めるために、スポーツ・パイロット・センターを設けるほか、スポーツ・パイロット制度で認められる飛行機の展示、フォーラムなども行う予定だ。
 このような制度は日本では、ちょっと難しいようにも思えるが。
 
安価なTCAS
 
 FAAはハニウエルが開発したピストン機や軽タービン機向けの低価格TCAS空中接近警報システムを承認した。
 このシステムはベンデイックス/キングのトラフィック認識システムで、KTA870トラフィック認識システム及びKMH880マルチハザード認識システムにより構成されている。
 このKTA870/KMH880はトランスポンダと連動して作動し、操縦席のディスプレイに周囲の他機情報を写し出し、異常接近する他機がある場合には、警報を出す仕組みとなっている。
 この旅客機などで装備が義務つけられているTCASと基本的には同様な機能を持っているが、コストの方は約一/三と安価になっているのが、最大の特長だ。








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