6. 富山湾と海底谷群および富山深海長谷…日本一長い川
図4に示すように、日本アルプスに源を発する河川は多くの土石を富山湾に運び込む。これらは土石流となって海底の斜面を削り、たくさんの海底谷を富山湾の周囲につくる。谷は合流を重ね、やがて一本の富山深海長谷となる。富山深海長谷は日本で見られる河谷では最も長く、東日本と西日本を分ける構造体を南から北に約500kmにわたって流れ、富山舟状海盆と大和海盆を通って日本海北部にまで達する。富山深海長谷の谷筋に沿った流域には陸上の河川と同様に自然堤防、三角州、扇状地などが発達している。したがって富山深海長谷は、陸上では最も長い信濃川(367km)をはるかに凌駕する日本一長い川である。
図4 富山湾と海底谷群
図5 富山深海長谷および周辺海域