「どくとるマンボウ航海記」を四十年前に発表以来、一連のマンボウシリーズの他、海を舞台とした多数の作品を著し、広く一般の人々に海や船への興味と関心を高めた功績。

　北　杜夫　きた・もりお(本名斎藤宗吉)

　　一九二七年(昭和二年)五月東京生まれ。東北大学医学部卒。医学博士。一九六〇年、半年間の船医としての体験をもとに「どくとるマンボウ航海記」を刊行。同年「夜と霧の隅で」で芥川賞、一九六四年「楡家の人びと」で第十八回毎日出版文化賞、一九八六年「輝ける碧き空の下で　第二部」で第十八回日本文学大賞を受賞。著書に「遥かな国遠い国」、「南太平洋ひるね旅」、「船乗りクプクプの冒険」、「黄色い船」他マンボウシリーズ多数。昨年十月に最新刊「マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記」を刊行。日本芸術院会員。