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はしがき
 日本は四方を海に囲まれた島国であり、古くから海運・漁業が発達してきました。これらにおいては、安全な海上輸送が重要であり、運航者は航路上の気象海象に大きな関心を払ってきております。
 しかしながら、年間6千件(平成12年)〜1万1千件(平成元年)の海難事故が日本近海で発生しているのが現状です(海難審判庁調べ)。海難事故の要因には、人為的な要因(見張り不十分等)に悪天候(強風・高波等)が重なる場合が多く見受けられますが、目視航行が基本である操船においては、海霧等による視程障害が大変大きな問題となります。
 一方、天気予報の分野では、計算技術の発展に伴い、数値計算による気象予報が予報の精度を向上させています。本事業では、数値気象モデルを用いた海霧予測を実現することを目標として、海霧モデルの開発と実用化を計ることを目的と致します。
 この事業の成果をとりまとめた本報告書が、船舶の安全航行、海難防止に活かされるものと期待しています。
 おわりに、この研究は日本財団の平成13年度助成事業により実施したものであることを申し添えるとともに、調査研究を推進するにあたり、ご指導を頂きました委員の方々に厚く御礼申し上げます。
 
 平成14年3月
財団法人 日本気象協会
会長 石月昭二








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