はしがき
気候変動の解明が緊急の課題である現在、歴史的データの価値はますます高まっており、これらを電算機処理が可能な形に整備する意義は非常に大きいと言えます。平成7年度に始めた本事業は、民間船舶の協力の下に観測された「歴史的海上気象観測資料」(気象庁保管)の電子媒体化を進めてきており、CD-ROMに納めて関係機関及び利用者へ配布してきました。これは観測データの少ない第一次大戦期の北太平洋域の貴重な資料となっています。
本年度事業では、これまでの事業を継続し、「歴史的海上気象資料」をさらに電子媒体化するとともに、気候変動に関する調査・研究を行い、その成果がここにまとめられています。これは地球温暖化に関連した気候変動や海運・海洋土木活動のあり方を検討するための、重要な基礎資料になるものと自負しております。 この事業は日本財団の平成13年度助成事業を受けて実施したものであることを申し添えるとともに、研究を推進するにあたり、ご指導を頂きました委員の方々に厚く御礼申し上げます。
平成14年3月
財団法人 日本気象協会
会長 石月昭二