(2) 剪定枝
[1] 回収システム
-剪定枝の回収のあり方-
メインシステムとして、ごみステーションでの回収を行う。回収頻度は、月1回から年2回程度の中で検討する。
また、サブシステムとして、地域での利用を前提として、市役所や出張所などの公共施設での拠点回収を検討する。
市民アンケート調査結果より、剪定枝のリサイクルに協力意向のある世帯が75.9%であり、システムが整備されれば多くの世帯の協力は可能である。
参加できる収集場所については、ごみステーションという回答が84.9%であったことから、ごみステーションで実施する。回収頻度については、月1回から年2回まで幅広い回答があったため、回収頻度が少なくても一定程度の協力は得られると考えられる。一方で、回収頻度が少ないと、1回当たりの回収に必要な車両台数が増加してしまう。そのため、モデル事業において、実際の回収量、必要車両台数、市の収集体制、市民の利便性などを検証して、回収頻度を検討する。
また、公民館などの地域単位で剪定枝を回収し、公民館などの暖房用燃料として使用する地域リサイクルシステムについても検討する。
[2] 処理システム
-剪定枝の処理システムのあり方-
ごみステーションをべースとした回収により、多くの回収量を期待できることから、処理が可能な規模の施設を確保する。技術としては堆肥化、チップ化、燃料化などが考えられるが、葉の部分を処理するためには堆肥化は不可欠であることから、堆肥化を中心に検討する。製造した堆肥などは、市の公共事業で積極的に活用するなど、剪定枝の市内循環システムを構築する。
また、サブシステムとして、地域単位で公民館などを中心として、剪定枝の拠点回収を行い、地域で活用するようなシステムも検討する。
ごみ集積所で実施した場合、剪定枝を排出している世帯(全体の約6割)のうちの5割の世帯が、排出量の1/2を枝葉の日に出したと仮定すると、180,000世帯×60%×50%×40kg×1/2=約1,080トン/年の回収が見込まれる。これらについては、地域単位で処理することは不可能なため、一括で処理できるような規模の施設を確保する。また、葉の部分は堆肥化は容易であるが、チップ化、ボード化、燃料化などの技術には向かないことから、堆肥化を中心として他の技術を組み合わせた施設を検討する。
製造した、堆肥などは、市の公共事業で積極的に活用するほか、松山市ブランドの堆肥として市民に提供することでPR・啓発効果が期待できる。これらにより、「剪定枝→堆肥→枝葉の成長→剪定枝」という市内循環を構築できる。
また、市が管理する街路樹や公園、市内の植木商などからも多量の剪定枝が排出されることから、これらの再利用を含めた総合的なシステムを検討する。
処理施設については、松山市として施設を確保するか、堆肥化などのノウハウを有する民間事業者を活用する。また、松山市内には、剪定枝からつくったペレットを利用して燃料として利用するNPOの動きもあることから、これらの団体との連携により、環境ビジネスの育成支援を促進する。
また、公民館などの地域単位で剪定枝を回収し、公民館などの暖房用燃料として使用する地域リサイクルシステムについても検討する。
図表6-3 剪定枝リサイクルシステム図
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[3] 役割分担
剪定枝のリサイクルシステムについて、市民・事業者・行政の各々の役割分担は図表6−4に示すとおりである。
図表6-4 各主体の役割分担(剪定枝)
主体 |
役割 |
市民 |
○剪定枝リサイクルシステムの意義の理解
○剪定枝の排出
○地域での燃料としての利用(地域利用のサブシステムを構築した場合)
○再生した堆肥等の利用 |
農家等 |
○農家等での再生した堆肥等の利用 |
再生事業者 |
○事業系リサイクルシステムの構築
○剪定枝の再生プラントの建設・運営
○行政への堆肥等の提供 |
行政 |
○家庭系リサイクルシステムの構築
○市民への事前説明会の実施
○分別収集の実施
○拠点回収の実施(地域利用のサブシステムを構築した場合)
○再生プラントの建設・運営支援
○再生した堆肥等の公共事業への利用
○市民・事業者へのPR・啓発事業の実施 |