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2 リサイクルシステム代替案の検討
 リサイクルシステムの代替案を、評価軸1〜4に照らして評価し、松山市にとって適したリサイクルシステムについて検討する。
(1) 食用廃油
 
[1] 回収
 「代替案1ステーション方式」は、量的な効果が期待でき、地域の人々が世話役として参加することから、市民の環境意識も向上すると考えられる。全国的にみても全市で食用廃油の収集を試みているのは京都市のみであり、他自治体へのアピールも期待できる。
 「代替案2公共施設等での拠点回収」と「代替案3販売店等での拠点回収」は、量的な効果は限られてしまう。また、参加者は拠点に食用廃油を持ち寄るだけなので、幅広い市民の環境意識の向上は期待できない。全国的にみても実施している自治体が多い。
 以上より、松山市では「代替案1ステーション方式」をメインシステムとするが、評価軸4の多様なリサイクルシステムという観点から、サブシステムとして、「代替案2公共施設等での拠点回収」、「代替案3販売店等での拠点回収」を併用していく。
 
[2] 処理
 「代替案1既存のリサイクルルート」は、リサイクルルートが確立できれば多くの量をリサイクルすることが可能であるが、現状では需要が先細っているため、リサイクルルートの確立は困難と考えられる。また、事業系の廃油と一緒に全国的なルートに乗ってリサイクルされるため、市民の環境意識の向上にはつながらず、全国的にもアピールできないと考えられる。
 「代替案2バイオ・ディーゼル燃料」は、処理施設の確保という課題はあるが、多くの量をリサイクルすることができる。製造したバイオ・ディーゼル燃料を市の公用車で使用するほか、工夫次第では市民の関心や他自治体へのアピールにもつながると考えられる。
 「代替案3石けんづくり教室での利用」は、量的にはほどんど効果はない。しかし、石けん教室を通じて、特に、子供に対する環境教育の効果があり、市内の消費者団体等とリンクすることで様々な取り組みが可能である。
 以上より、松山市では「代替案2バイオ・ディーゼル燃料」をメインシステムとし、サブシステムとして「代替案3石けんづくり教室での利用」を併用していく。








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