日本財団 図書館


5 対象地区に係わるインパクト分析
(1) 主たるインパクト要因
 計画対象地区になんらかの関わりを持つと思われるインパクトとしては、近い将来のエコパでのワールドカップ開催から、比較的長期的な要因としてみておくべき広域農道の構想まで、様々なものが考えられる。
 計画対象地区に直接的に関わりを持つものとしては、国道150号バイパス計画があるが、これも当面の動きというよりは、少し時間的スタンスを持って考える必要がある。
 そこで、当面(5年前後)のインパクトと、それ以降の将来的なインパクトという捉え方から整理してみると、次のように概括できる。
図表1-5-1 各インパクト要因と計画対象地区への影響の想定
区分 分類 インパクト要因 影響の想定







イベント関係 ○2002年エコパでワールドカップ開催 ・直接的な影響は少ないが、長期的にはスポーツフィールド (スポーツ合宿キャンプ等) の繋がりを持てる可能性有り。
○2003年エコパで国体開催将来的には文化・芸術・音楽等の各種のイベント計画有り
道路関係 ○広域農道と直結する町道81号線(2003年予定) ・当面の最も大きな道路整備のインパクトで、広域農道と計画対象地区西部との繋がりは良化される。
○ふるさと農道 (2003年予定) ・エコパ方面との繋がりが良くなり対象地区中央部のポテンシャル高くなる。
○第2東名森・掛川ICの開設 (2006年予定) ・首都圏〜中京・関西圏との繋がりがさらに良くなる。
空港関係 ○静岡空港開設 (2006年予定) ・計画対象地区への直接的な影響は少ないが、御前崎〜浜松間の観光流動が促進される。
拠点開発等の関係 ○しずおか風トピア計画 ・“風”という共通のテーマ性での遠州灘での地域連携が可能となる。








ダム関係 ○太田川ダム (2010年頃予定) ・浅羽町における水供給上の制約が解除される。
道路関係 ○広域農道 (完成年未定) ・東名・第2東名のICと本計画対象地区を直接的に結ぶことになり、広域交通幹線との利便性がさらに良くなる。
  ○国道150号バイパス (完成年未定) ・本計画対象地区の中央部を東西に横断する幹線軸となり、御前崎〜浜松方面の流動需要が発生する。
  ○浜松小笠山構想線 (完成年未定) ・エコパ〜浅羽町〜浜松方面を東西に結ぶ幹線軸で、計画対象地区への直接的な影響は少ないが、エコパとの繋がりはさらに良くなる。
拠点開発等の関係 ○福田ふれあい漁港 ・レクリエーション漁港としての周辺整備が構想されており、整備される内容によっては大きな影響を計画対象地区にも与えるが、進捗が未定。
(2) インパクトからみた展開の可能性検討
 計画対象地区地区には当面は大きなインパクトは無いと想定される。但し、エコパはスポーツ・各種イベントの拠点になり、道路条件も徐々に良化されることになり、こことの関連で対象地域の活用策は考えられる。
 中期的には、2006年が交通条件が変わるエポックであり、事業スケジュールの目安となる。
 国道150号バイパスは、本計画対象地区においては大きなインパクトになりえる可能性を持つが、
○ 一つは10年スパンくらいで考える必要があること
○ 一つは地域に魅力が無ければ、単なる通過交通の処理地域になってしまうことを認識する必要がある。
 一方、地域の魅力が図れれば、バイパス促進の誘引材料になることが想定される。
 
 このような観点から、当面計画対象地域におけるインパクト対応の考え方としては、インパクトに頼るのではなく、地道な整備がまずありきで、それが周辺でのインパクト条件を活かすことにもなり、引いては国道150号バイパスの整備を促進させることにもなる。その地道な整備の方向としては、現在の自然環境を活かし、エコパとの連携も視野に入れつつ、海浜レクリエーション系の整備を図っていくことが当面の方策と判断される。
図表1-5-2 周辺地域のインパクト要因
(拡大画面: 194 KB)
h1073_01.jpg
(拡大画面: 125 KB)
h1074_01.jpg
図表1-5-3 周辺地域のインパクト要因の概要
(拡大画面: 335 KB)
z1075_01.jpg








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION