[5] 土地利用計画の必要性
地域全体の土地利用の方向やイメージを示す土地利用計画の必要性については、「沿岸地域全体の土地利用計画が必要」と考える地権者が69.7%、「地区(字)単位の土地利用計画が必要」と考える地権者は26.7%となっている。これに対して「土地利用計画は必要でない」は1.8%にとどまっている。
図表1-4-21 土地利用計画の必要性
[6] 保全・管理のあり方
保全・管理のあり方については、「町等が地権者の意向をまとめて進める」が77.6%で最も多くなっている。
図表1-4-22 保全・管理のあり方
(3) 事業所の土地利用意向
本調査では、平成13年11月に、調査対象地区に立地する事業者に対して、事業所の概要及び調査対象地区の土地利用意向について調査した。調査の概要及び結果を図表1-4-23,24のとおりである。
図表1-4-23 事業所調査の概要
区分 |
配布数 |
回収数 |
回収率 |
砂地地域 (本調査対象地区) |
18票 |
13票 |
72% |
その他の南部地区 |
31票 |
14票 |
45% |
合 計 |
49票 |
27票 |
55% |
図表1-4-24 事業所調査の結果
区分 |
調査対象地区 |
その他の南部地区 |
事
業
所
の
概
要 |
操業開始時期 |
○昭和40・50・60・平成それぞれの年代に均等に分布している。 |
○昭和25年操業開始という事業所もあるが、回答の内ほぼ半数は平成に入ってからで、比較的新しいものが多い。 |
○平成に入ってからの操業は3社あり、いずれも自動車関連部品の製造や研磨業である。 |
業種 |
○業種的には自動車等の機械関連部品の製造等に関するものが多いが、「食品香料・食品添加物製造」や「インテリア家具」製造といったものも立地している。 |
○業種的には食品加工関連・縫製関連・医療やCP関連の精密機器の製造等比較的多彩な業種がみられる。 |
従業員数・地元雇用状況 |
○最も従業数が多いのは98人 (ガスコンロの部品製造) 、最小は5人 (オートバイの部品製造) で、単純平均では1事業所当たり40人となる。 |
○最も従業員数が多いのは225人 (食品製造業) 、最小は2人 (縫製) で、単純平均では27人となる。 |
○地元雇用率は概ね2〜3割程度である。 |
○小規模なものが多く、10人未満の事業所が約1/3も占める。 |
○地元雇用率は4〜5割程度のところが多く見られるが、最も従業員規模が大きい事業所での地元雇用率は25%である。 |
製造品等の出荷額 |
○回答があった中では15億円 (ガスコンロの部品製造:1530万円/人) が最も高く、10億円以上の事業所は4社ある。 |
○回答があった中では17億円 (自動車部品の成型樹脂加工:4250万円/人) が最も高いが、10億円以上の事業所は3社しかない。 |
○全体の一人当たり出荷額は2,133万円/人である。 |
○全体の一人あたりの出荷額は1,421万円/人で砂地地域よりもかなり低い。 |
業種の具体的な内容 |
○製品として本対象地域で活用素材として可能性がありそうなものは「食品香料」「イタリア家具」「健康食品」等があげられる。 |
○製品として本対象地域で活用素材として可能性がありそうなものは「セブンイレブンへの食材」「メロン漬等の漬け物製品」等があげられる。 |
区分 |
調査対象地区 |
その他の南部地区 |
廃材の内容と処分方法 |
○プラスチック、金属、油等の廃棄物がそれぞれの事業所ででているが、ほとんどが廃棄物回収専用業者へ引き取ってもらっている。 |
○左記と同様廃棄物回収専門業者へ引き取ってもらっているのが大半。 |
○一部、一般ゴミや木材等自前で焼却処理をしたり、プラスチックのリサイクルをおこなっているところもみられる。 |
○その中で、炭素繊維織物の織布はほとんど再利用されており、食品加工業の動植物性残さは自前で埋め立て処分されている。 |
周辺地域での新たなる用地取得の意向 |
○用地取得意向があるのは3社であり、1社は現在借地であるため自己所有したい、1社は他県にある関連事業所をここに誘致したいという意向を示している。 |
○ほとんどの事業所が少なくとも現状での意向は有していないが、2社だけ検討中という回答有り。 |
○但し、2社とも事業所規模が小さいものであり、大規模な土地所得ではないと思われる。 |
移転や規模縮小の意向 |
○すべての事業所で現在のところでは意向無しと答えている。 |
○すべての事業所で現在のところでは意向無しと答えている。 |
周辺地域での問題点 |
○「塩害による建物や器材の腐食」が最も多く上げられている。 |
○「塩害による器材の腐食」「養豚・養鶏の臭気」「ゴミの不法投棄」の問題が多く上げられている。 |
○次いで「豚舎・鶏舎の臭気」「サーファーの違法駐車」「ゴミの不法投棄 (サーファー・住民) 」の問題が多く上げられている。 |
○「農業の消毒剤の工場への侵入」というのも1件みられる。 |
沿岸部の今後の土地利用のあり方 |
○海浜公園的なきれいな海岸環境の整備を望む声が最も多いがその他、次のような回答がみられた。 |
○遊休農地の活用をあげる人が最も多く、利用としては果樹園、工業団地、住宅地等様々である。 |
▽海亀の保護センター |
○その他の回答としては |
▽サーファーの受入施設 |
▽公園整備 |
▽発電事業 (風力・太陽熱) |
▽観光・文化面での活用 |
▽道の駅 |
▽基盤整備 (PS・トイレ) |
▽住農工の土地利用の明確化 |
▽水道施設の整備 |
自由意見 |
○2件しか回答が無く、一つはサーファー対策を急げ、一つは汚泥の引き取り費用に対する優遇措置を望む (パレル研磨加工業) という意見がだされている。 |
○2件しか回答が無く、一つは「メローなまち」にふさわしい明るいさわやかな環境づくり、一つは対象地域からはずれるが町民会館の建て替えという意見がだされている。 |