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第1章 調査対象地区の現況と課題
1 広域的な地域動向
(1) 都市分布
 静岡県では、行政区域を大きく東部・中部・西部の3地域に分けているが、このうち浅羽町が位置する西部地域は7市21町村で構成されている。西部地域はさらに中遠地区、北遠地区、西部地区の3地区で構成されており、浅羽町は3市11町村で構成される中遠地区に含まれている。
 また、各種計画における区域をみると、「静岡県新世紀創造計画」において3市10町1村からなる静岡県中遠地域(以下、中東遠地域という)に、「中遠地区ふるさと市町村圏計画」では中遠地区広域市町村圏(2市5町1村)、都市計画上では中遠広域都市計画区域(1市2町)にそれぞれ含まれている。
 上記のうち、最もエリアが広い中東遠地域は、太平洋新国土軸の東の入り口、西日本国土軸の中間に位置し、東京から約250km、名古屋からは約100kmの距離に位置している。圏域内の都市分布をみると、沿岸部後背地に圏域の中核的な都市である掛川市、袋井市、磐田市が東西に分布し、ここに国土幹線(JR東海道新幹線・東海道本線、東名高速道路)が通過して、静岡、浜松に接続している。また、遠州灘沿岸の太平洋岸幹線軸上(国道150号線)に浅羽町を含む6町(浜岡町、大東町、大須賀町、浅羽町、福田町、竜洋町)が東西に分布している。
図表1-1-1 静岡県西部地区の都市分布の状況
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(2) 人口
 静岡県の人口は、平成12年現在で376万7,393人、平成7年からの5年間で2万9,704人増(増加率0.8%)となっている。地区別の人口をみると、東部地区123万5,433人、中部地区123万3,550人、西部地区129万8,410人となっている。平成7年と比較すると、中部地区では人口が減少し、東部地区、西部地区では人口が増加している。西部地区では、人口増加が著しく、3万2,191人、2.5%の増加となっている。
 静岡県の清水市以西の市町村別の人口分布をみると、静岡・清水両市(約71万)と浜松市(約58万)に大きな人口集積があり、両地域を結ぶJR東海道新幹線・東海道線、東名高速道路の国土幹線軸沿いに人口10〜20万規模の市町村が分布している。浅羽町が位置する遠州灘沿岸町村は、人口1〜2万規模となっている。
 平成7年〜12年の人口増減をみると、浅羽町を含む国土幹線軸以南の沿岸域市町村では人口増加地域が多く、反対に国土幹線軸以北の中山間市町村では人口減少地域が多くなっている。
図表1-1-2 静岡県の人口の推移
区分  人 口 (人) 世 帯 (世帯)
平成7年 平成12年 増減数 増減率 平成7年 平成12年 増減数 増減率
県 計 3,737,689 3,767,393 29,704 0.8% 1,204,189 1,280,984 76,795 6.4%
市 部 2,909,785 2,939,885 30,100 1.0% 959,357 1,023,010 63,653 6.6%
郡 部 827,904 827,508 -396 0.0% 244,832 257,974 13,142 5.4%
東 部 1,233,039 1,235,433 2,394 0.2% 412,888 435,297 22,409 5.4%
中 部 1,238,431 1,233,550 -4,881 -0.4% 397,056 416,001 18,945 4.8%
西 部 1,266,219 1,298,410 32,191 2.5% 394,245 429,686 35,441 9.0%
資料:総務省総計局「平成12年国勢調査」 (平成12年10月)
図表1-1-3 広域的な人口分布
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(3) 産業
 静岡県の平成12年度の県内総生産(=県内総支出)は、名目値で14兆8,475億円、経済成長率は+0.2%、実質値(平成2暦年基準)は14兆5,764億円で、経済成長率は+0.6%となっている。本県は首都圏と中京圏、近畿圏の中間に位置し、人口・経済規模などが、概ね全国の3%を占めることから“3%経済県”といわれる。また、人口・経済規模は3%ながら、交通体系の整備が早くから進むなど、良好な社会的条件を活かし、製造品出荷額は全国5位と工業県としての性格も有している。
 平成12年現在の就業人口は201万3,164人で、産業別の内訳は第一次産業5.4%、第二次産業37.5%、第三次産業56.6%となっており、第三次産業の比重が大きい。浅羽町が位置する西部地区では、浜松市などの楽器、オートバイ、軽自動車等の工業地域を抱えており、第二次産業の比重が大きくなっている。
 本県の産業構造を全国と比較すると、製造業、なかでも輸送用機械、電気機械、一般機械等の加工組立型業種の比重が高くなっている。しかし、国際分業の定着による産業構造の変化等を受け、基幹産業である輸送用機械や電気機械などの製造業の海外移転による産業空洞化が進展しており、それに代わる次世代産業の育成が大きな課題となっている。
図表1-1-4 産業大分類別にみた静岡県の就業人口
図表1-1-5 圏域別にみた就業人口








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