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(4) 交通
ア 道路
 平成11年度の本県の自動車台数は前年より36万台増の3百万台強となっており、旅客輸送における自動車の役割が大きくなっている。平成8年度の自動車の交通機関別分担率(平成8年度)をみると、本県は81.7%で、全国平均の61.1%を大きく上回っている。
 本県の道路延長は、平成12年4月現在3万5,859kmで、全国で9番目に長い距離となっている。道路網は、東名高速道や国道1号など国土幹線道路が海岸部を東西に横断し、これを機軸とし、富士川、安倍川、大井川、天竜川などの大河川に沿い南北に道路が走る櫛形状を形成している。
 本県の道路整備方針は、高規格幹線道路のインターチェンジと地域の中心都市への30分以内のアクセスをめざして道路網の整備を促進する「静岡30(サーティー)構想」と、中山間地域の集落間等を30分で結ぶ農林道網の形成を図る「となり町30分構想」の2つがあり、両構想を相互連携を図りながら推進し、県全体の総合的な交通基盤の形成を図ることとしている。
 今後の具体的な高規格幹線単路の整備として、第二東名自動車道(東京〜名古屋)、中部横断自動車道(清水市〜長野県佐久市)、伊豆縦貫自動車道(沼津市〜修善寺町)、三遠南信自動車道(長野県飯田市〜三ケ日町)の建設が計画されている。
 このうち、第二東名自動車道は、東京と名古屋を結ぶ延長約330kmうち、県内区間は約165kmで、長泉町〜引佐町(約134km)は、平成5年11月に施行命令が出され、用地買収が進むとともに、県内各地で工事が実施されている。計画が完了した場合、県内にはIC10か所(長泉沼津、富士、清水、伊佐布、静岡、藤枝岡部、金谷、森・掛川、浜北、引佐)、東名高速道路とのJCT3か所(御殿場、吉原〜尾羽、引佐〜三ヶ日)が設置される。上記のICのうち、森・掛川ICは2006年に開設予定となっており、浅羽町からは約15kmに位置するため、関東、中京圏からのアクセスの利便性が高まることが予測されている。
図表1-1-6 第二東名高速道路の計画図
資料:JH日本道路公団静岡建設局ホームページ
http://www.jhnet.go.jp/shizuoka/
 
イ 鉄道
 本県を通過するJR線については、東海道新幹線、東海道本線の2幹線が東西に走り、この2幹線に接続する形で、熱海から伊東線、沼津から御殿場線、富士から身延線の4在来線が、南北に伸びている。本県には、熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松の6つの新幹線駅が設置され、東海道新幹線の営業距離、駅の数ともに全体の3分の1を占め、全国一新幹線駅数が多い県となっている。しかし、ひかり、のぞみ増発の影響を受け、県内の新幹線駅の利便性は必ずしも高くないことが課題となっている。また、東海道本線の掛川・袋井駅間に新駅・愛野駅が開設した他、袋井・磐田駅間新駅、御殿場線の下土狩・裾野駅間新駅の設置の促進、新幹線空港新駅等の設置に向けた取組が進められている。
 県内の民間鉄道は東部(伊豆)地区、西部地区で運行されており、西部地区では金谷から大井川鐡道(金谷〜井川)が、掛川から天竜浜名湖鉄道(掛川〜新所原)が、浜松から遠州鉄道(新浜松〜西鹿島)が東海道本線以北を結んでいる。東海道本線以南を運行する鉄道はなく、浅羽町内には鉄道は通過していない。
図表1-1-7 静岡県西部地区の鉄道網








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