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[1] ロータ
 ロータは界磁として働く部分で、シャフトと一体になり回転する。ロータはポールコア(磁極)とロータコイル(フィールドコイル)、スリップリング、シャフトなどによって構成されている。ロータは2・168図のように、中央にロータコイルが巻かれ、その両側に磁極がある。
 ロータコイルに電流を流すと片方の円板のツメは全部N極となり、もう一方の円板のツメはS極となる。回転しているロータに励磁電流を供給するためロータの一端にスリップリングが2個取り付けられて有り、これは銅や黄銅、ステンレスなどで出来たリングと絶縁物で構成されている。
 このリングの円周上をブラシが摺動して電流を供給する。
 
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2・168図 ロータ
[2] ステータ
 ステータは、ステータコアと、ステータコイルで構成され、フロントカバー、リヤカバーによって支えられている。ステータコアは薄い鉄板を重ね合わせたもので、その内側にはいくつもスロット(溝)があってステータコイルが入るようになっておりロータのポールコアから出た磁束がステータコイルと有効に交差するように作られた磁束の通路である。ステータには、3個の独立したステータコイルが巻かれており、ロータの回転に伴い、交流電圧が発生する。ステータコイルの接続はY結線(スター)、△結線(デルタ)の2種類があるが、一般にはY結線が殆どである。
2・169図 ステータ
2・170図 ステータの結線方法
[3] フロントカバー及びリヤカバー
 フロントカバー及びリヤカバーはステータとロータを支持すると同時に、エンジンヘの取り付けを行う部分でもある。オルタネータの冷却は一般に空冷方式を採用しているので、両カバーとも通気用の穴があけられている。リヤカバーにはダイオード、ブラシ、出力端子が取り付けられている。風はファンにより2・171図のように流れ冷却している。
2・171図 フロントカバー及びリヤカバー
[4] ダイオード
 ダイオードは、1方向にのみ電流を流し、その逆方向には電流を流さない性質を持っている。この性質を利用してステータコイルに発生した交流を直流に変換(整流)している。ダイオードは2・173図に示すようにプラス側とマイナス側にそれぞれ3個ずつ組付けたものを1組として使用している。
(作動)
 オルタネータは三相交流であり、ダイオードを6個使用して全波整流を行っている。
 その方法は2・174図に示す如く(a)ではI・II相間に高い電圧が発生し、電流はダイオード1を通って負荷に流れ、ダイオード5より戻ってくる。次の過程では(b)のようにI・III相間が高くなり、ダイオード1を通って負荷に流れダイオード6を通って戻ってくる。
 これを順次(c)(d)(e)(f)と追っていくと各相、各線に流れる電流は順に大きさと方向を変えるが、負荷側では常に一定の方向に電流が流れ直流に変換されている。(図中黒く塗ったダイオードにのみ電流が流れている)
2・172図 シリコンダイオードの導通方向
2・173図 ダイオードの取付け
2・174図 三相全波整流の説明図








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