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図3.2.1-3 双胴船INCAT96m型一般配置図
 
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図3.2.1-4 双胴船INCAT96m型中央横断面図
 
3.2.2 高速船重量推定と評価
 重量推定の結果、やはり、豪・欧製高速船は、軽量であり、単胴船TMV114型、双胴船INCAT96m型共、推定値と公表値との間には相当の重量差があることが示された。従って、この種大型高速船では、載貨重量が軽荷重量の20%程度であることから、同一要目、同一主機関とした場合、我が国の現状技術レベルで設計した船は、豪州船に比べ、十分な載貨重量が確保できないという現象が生じることになる。このことは、旅客や車両等、貨物の単位当たりの建造費、燃料費等が増大することを意味する。即ち、載貨重量が軽荷重量よりもはるかに大きく、軽荷重量の大小が、載貨重量の大小に及ぼす影響がそれほど大きくない通常船舶における軽量化技術とはその意味が根本的に異なっており、船体重量が運行採算を直接左右することになる。言い換えれば、現状の軽量化レベルでは、通常船舶が保持しているような国際競争力を確保することは困難であり、将来我が国において大型高速船の需要が生じた場合においても、載貨重量の差に起因する運行採算の圧倒的な差により、国内船主が豪州或いは欧州より輸入運行するというケースとなる可能性が強い。現実に、30m級の客船は、既に豪州より3隻が輸入され、内2隻が運行中であり、また、大型高速船については、丸ごと輸入ではないが、豪州からの技術導入より2隻が建造され、1隻が運行中である。以上の状況において、我が国では、高速船技術の基本である軽量化技術の向上を図り、豪・欧に追いつくことは、早急の要請と考えられ、以下、軽量化を実現する手法について検討を行うこととする。








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