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マーシャル諸島共和国
 
[1] 提出資料
[2] 主な問題点
1) 船舶数が国内の需要を満していない。船で移動・旅行をするのに2〜3週間かかる場合がある。
 
この後、プレゼンテーションに対し質疑応答に入った。主な質疑は以下のとおり。
 
質問1
 貴国では、現在の需要を満たす船舶輸送サービスをスピードアップするため、既に日本に援助を求めたか?
回答1
 援助を求めた。日本政府に対し、2002年にさらに2隻供給してくれるよう援助を求めている。
 
質問2
 貴国で最も優先すべきサービスは何か?
回答2
 1. 医療サービス
 2. 空港サービス
 3. 船積みサービス
 
マーシャル諸島共和国(プレゼンテーション資料)
 
 マーシャル諸島について:マーシャル諸島共和国は、アメリカのハワイ諸島とグアムとの中間に位置する中央太平洋の29の珊瑚環礁と5つの低地島からなる人口約58,000人の国家である。マーシャル諸島共和国は、1979年に憲法を採択し、1986年に独立、1991年には国際連合に加盟した。
 マーシャル諸島の自然美と豊かな文化は、世界中から観光客を引き付けている。海洋生物が豊富な天然のままの珊瑚礁により、マーシャルは主要なダイビング観光地となっている。ただ我が国は、特に環境の悪化や急速な人口増加、加速する海面上昇、核実験の遺物といった形での困難な課題にも直面している。
 マーシャル諸島共和国は、小規模な環境産業や経済投資について、大きな将来性を提供している。我が国の開かれた投資環境や、自由連合協定に基づく米国との緊密な関係により、我が国は、持続可能な経済開発という目標に向けて、とりわけ魅力的となっている。
 運輸通信省:ブレンソン・S・ワセ大臣およびジョレリク・ティボン秘書官の指揮のもと、運輸通信省は、マーシャル諸島の離れ珊瑚環礁ならびに島々の人々に必要な海上輸送サービスを提供する活動の活発な政府機関となっている。海上輸送は、マーシャル諸島における主要なサービスである。
 1996年、マーシャル諸島政府は、運輸通信省を通じて、発動機船リブーク・アエ号以外の政府所有船の全てを退役させた。当時の海上輸送サービスは、非常に限定的で不確かなものであった。必要を訴える人々の叫びはあらゆる方面から聞こえていたが、供給は遅々としてなかなか与えられなかった。
 離島の経済は、自給自足用農業や畜産漁業が大部分で、これをコプラ生産や他の農産物、場合によっては余剰漁獲物の販売や手工芸品の販売による現金収入が補っている。この他、マジュロ(マーシャル諸島共和国の首都)や海外で働く親戚からの送金収入もいくらかあるが、これについては、資料はないものの、少額であると考えられている。
 離島では、限られた額ではあるが内部現金取引活動も維持しており、殆どのコミュニティは、地元実業家の運営する1つまたは複数の商店を維持している。こうした商店は、食品、燃料、衣料や建築用品などの輸入商品を販売しており、在庫は現地調査船や、場合によっては貿易商が所有するものを含む民間船舶が配達する(民間船舶は35GTほどの小型船)。
 しかしここでも、こうしたルートを走る政府船が1隻しかないため、サービスは非常に遅く、場合によっては、他のルートについては1年以上も便がないこともあった。この大問題は、7ヶ月前に政府が船舶をもっと購入することを決定したため、幾分か解決された。
 マーシャル諸島共和国政府は、中華民国の援助を得て、3隻の中古船舶を日本から購入することができた。この中古船舶購入の内訳は、燃料タンカー1隻に貨物・客船2隻である。
 船は全てマーシャル諸島に到着し次第すぐに使用に供され、離島の人々の役に立った。
 
 マーシャル諸島共和国船舶の仕様:新たな中古船舶を加えたマーシャル諸島共和国船隊は次の通り。
 
1. リブーク・アエ号(以前からの政府船隊の最後の船)
a. 全長116フィート
b. 速力8ノット
c. 貨物積載能力100トン
d. 乗客定員50名
e. 1995年建造
 
2. ジョバケ号(今年購入した中古タンカー)
a. 全長115フィート
b. 速力9.5ノット
c. タンク合計容量 85,000ガロン
1. ガソリンタンク 15,000ガロン
2. ディーゼルタンク 35,000ガロン
3. 灯油タンク 35,000ガロン
d. 1984年建造
 
3. リタクボウキ号(2001年3月末到着)
a. 全長176フィート
b. 速力11.5ノット
c. 貨物積載能力150トン
d. 船室乗客定員40名/甲板乗客定員80名
e. 1976年建造
 
4. ラングドリク号(2001年4月末到着)
a. 全長159フィート
b. 速力10.5ノット
c. 貨物積載能力205トン
d. 甲板乗客定員68名
e. 1986年建造
 
 本年度の輸送スケジュールを添付するが、この中で各船舶は年6回の運航が予定されており、チャーター便については含まれていない。
 離島の中には需要の非常に多いところがいくつかあり、船舶は、特定目的地に向けて、スケジュールに発表されているものより多く出航しなければならないと予想され、そのためにこのようなスケジュールとなっている。次航海の前に6週間の空白があるが、これは、未完了の航海やチャーター航海、および軽度のメンテナンスを行うための時間である。
 最近、特定目的地(アイリングラプラプ環礁、ミリ環礁およびアーノ環礁)からの航海が未完了となることがあるが、これは主にスペースの問題である。これらの3環礁では以前よりコプラの生産が増えており、これらの環礁でのコプラ増産の主因は、人口が10%増加したことによると考えられている。
 
 船舶需要:マーシャル諸島における船舶需要は非常に高く、長期的に、或いはおそらく永久的に高い需要が続くであろう。海上輸送は、離島の人々にとっては主たる輸送手段であり、離島に移住する人が増えて毎年人口が増えるにつれ、船舶需要は、我が国にとって、常に優先順位の高い問題であり続けるであろう。
 日本からの中古船舶は、これからもしばらくの間使用されるであろうが、リタクボウキ号の老朽化が主要ファクターであり、他の船舶の状態はまだ申し分ない。
 マーシャル諸島共和国の離島の人々のニーズを満たすために(一貫したスケジュール)、政府は、所有船舶を2隻増やす必要があるだろう。
 
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REPUBLIC OF THE MARSHALL ISLANDS
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