日本財団 図書館


<対応が遅れているとの声>

1. トイレがどこにあるか、わかりやすいマップやサインが街にほしい。

―使いたい時すぐに使えるように、多くの場所への設置が望まれます。

2. オストメイトの方への対応が未整備。

3. 視覚障害者への対応が不徹底。

4. 介助者のスペースがとれていない。

 

みんなで使えるトイレは、身障者トイレのブースだけでは実現可能になりません。多くの声が反映されたトイレを作るためには、

1] どんな場所にも広めの手摺りつきの洋便器ブースを設置すること。

2] トイレ全体で、街全体で連携しながら、トータルに解決すること。

が重要だといえるでしょう(図1)。

 

図1 みんなで使えるトイレの参考事例―JR東日本品川駅チップ制トイレの例(竣工1998.11.)

セーフティー&ノーマライゼーションを基本姿勢としたトイレ。チップ制で、日中は清掃者が常駐している。

男女に、車いすが回転できるスペースを持ち、乳幼児のための便器や、おむつ替えベッドを備えた、多目的に利用できるトイレを設置した。異性間介助の場合や子供連れの時は、案内して、両方を使えるように、位置は男女トイレの前にした。表示は、男子優先、女子優先とした。

男女各トイレ内には、手摺りつきの大き目のブースを設置した。手摺りは、ここだけでなくすべてのブースにつけられている。女子トイレの大き目ブースでは、乳児を連れた方や軽度の障害者のため、内部に手洗いを設け、ベビーチェアを設置した。洗浄方法については、視覚障害者用の音声ガイドつきのセンサーが採用され、点字の案内もある。

その他、手洗いと化粧コーナーに分けて、利便性を図るとともに、清掃を部分的に行い、いつも利用できるように設計してある点も、このトイレの特徴である。

022-1.gif

設計:(株)ジェイアール東日本設計事務所+設計事務所ゴンドラ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION