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●公共トイレにおけるユニバーサルデザインの導入状況は

 

さて、公共トイレにおけるユニバーサルデザインの導入状況についてはどうでしょう。

昨年12月、バリアフリー化やユニバーサルデザイン導入に関し、全国の都道府県、市・区を対象に行ったアンケート調査の内容を整理すると、以下のとおりです。

 

(1) 公共トイレのバリアフリー化やユニバーサルデザイン導入の現状

 

回答件数の57%(138団体)が、“一部に身体障害者用トイレを設置”と答えています。続いて、23%(56団体)が“大部分に身体障害者用を設置”と答えています。しかし、身体障害者対応も含めて、ユニバーサルデザインのトイレを設置しているかとの問いについては、25件(10%)に止まっています。

ここに示されている数字から、

1] 身体障害者用トイレの必要性については十分理解されている。

2] しかし、身体障害者用トイレは、財政的な事情もあって、大部分のトイレに設置するまでにはなっていない。

3] また、ユニバーサルデザインのトイレを設置するまでにはなっていない。

ということができます(図3)。

 

図3 公共トイレにおけるバリアフリー化やユニバーサルデザイン導入の現状について

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(2) バリアフリー化やユニバーサルデザイン導入時に、高齢者や身体障害者から意見を聞いているか

 

明確に意見を聞いていると答えたのは、247の回答のうち、25件(10%)に止まっています。一番多かったのは、“設置場所、状況によって違う”(63件、26%)、“特に聞いていない”(同数)でした。他は、“福祉のまちづくり条例にそって聞いている”(59件)、“今後聞く計画”(37件)でした。

公共トイレのバリアフリー化やユニバーサルデザイン導入の際、利用者である高齢者や身体障害者から意見を聞くということは、必ずしも必須手続きにはなっていません。しかし、現実に、使えない、使いにくい、という声をあちこちで聞くと、やはり利用者の意見を可能な限り聞く必要があると思われます(図4)。

 

図4 バリアフリー化やユニバーサルデザイン導入時の高齢者や身体障害者からの意見把握について

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