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広いスペースをとった身障者用トイレ。赤ちゃん連れも使えるようになっている。

 

一方、ユニバーサルデザインは、1980年代にアメリカで起こった考え方で、「建築物や製品を、できる限り多くの人が特別な配慮や修正なしに利用できるように、計画段階から最大限の努力をはらって設計すること」とする方法論です。このユニバーサルデザインを実現するために、提唱者のロン・メイス氏等は「ユニバーサルデザイン7原則」を掲げました。それにより、この言葉の広範な解釈に対して、一定の方向性が指し示されました。

7原則の内容は、以下のとおりです。1]誰でも公平に使用できること。2]使う上での自由度(フレキシビリティ)が高いこと。3]使用方法が簡単で直感的にわかること。4]必要な情報がすぐ理解できること。5]うっかりエラーが危険につながらないデザインであること。6]無理な姿勢や強い力を必要としないで楽に使用できること。7]容易に接近して使えるような寸法になっていること。

 

■バリアフリーデザイン

障害のある人や身体能力の衰えた高齢者が、ある場所・施設などへアクセスすることを妨げるものを、「バリア(障壁)」と呼びます。そのバリアをなくすことがバリアフリーであり、そのためのデザインをバリアフリーデザインといいます。

バリアフリーデザインがとりわけ問題にしてきたのは、障害のある人が施設などを利用するにあたり、どのようなバリアを取り除くべきかということです。つまりバリアフリーの運動で焦点になったのは、障害でした。バリアフリーデザインは、障害のある人に対して生活環境をいかに行動しやすいものにしていくか、そのことに力点を置いた概念であるといえます。

 

●ユニバーサルトイレとは

 

さて、以上に述べたことを前提として、もう一度トイレの課題に戻って考えてみたいと思います。

 

 

 

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