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5. 博物館事例紹介

a. 荒川知水資料館/八木敕

 

荒川知水資料館の八木でございます。荒川知水資料館、略称でアモアといっておりますけれども、アモアが今、沿川地域の総合的な学習の拠点として注目されつつありますので、その実態と、それから、アモアの受け入れについてご紹介をさせていただきたいと思っております。

荒川知水資料館は、国土交通省の荒川下流工事事務所と東京都北区が共同で建設した資料館でございまして、平成10年3月にオープンいたしました。場所は、東京都北区岩淵、荒川の河川敷沿いにございまして、JRの赤羽駅から歩いて15分の距離でございます。これまでに約23万5,000人ほど入っております。資料館のコンセプトは、お役所風にいいますとよりよい荒川づくりを考える活動の拠点にする。簡単にいいますと、荒川を知り、荒川を学び、荒川に親しんでもらうということでございますけれども、私どもの最大の特徴は、荒川、特に下流部についての情報の発信と受信、それと地域との交流、これに非常に力を入れている点です。これが他の資料館と違っているんじゃなかろうかなあと思っております。

さて、総合的な学習でございますけれども、私どもは、昨年の6月から受け入れを始めております。小学校を皮切りに、1カ月後の7月からは中学校も来始めておりまして、今年の9月からは高校も来館するようになりました。これまでの総合的な学習で来館いたしましたのは既に3,000名を超えております。学校数で約90校、東京都北区を中心に都内6区と、それから、荒川を隔てて隣接しております埼玉県、最近は修学旅行を兼ねまして総合的な学習に来る、例えば愛知県岡崎市や江南市からも来るようになっております。(スライド1)

それでは、なぜアモアが総合的な学習の拠点として注目されてきたのかということを考えてみますと、まず第1は、東京の東部低地を流れる荒川下流部ですけれども、広大な水辺空間に恵まれている、これが第1の理由でございます。次いで、自然の素材とテーマが豊富である。さらに、下流部、これは約33キロございますけれども、下流部の3分の2は、実は75年ほど前に完成した人工の放水路でございます。

 

 

 

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