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【質疑応答】

 

【参加者A】 貴重なお話をありがとうございました。

それで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今のような地下水の低下というのは、おそらく地元の自治体にとっても非常に大きな問題だと思うんですけれども、こういった研究活動に対して、地元の行政というのは、具体的に何か協力ですとか、あるいは独自の対応というのをなされているんでしょうか。

【長瀬】 例えば秦野盆地の場合ですと、今までの歴史からいくと、最初は地下水が豊富だと市の方々は考えていらっしゃったんですね。ところが、水位が下がってくるとか湧水量が減ってくる。そういうことで、一番最初は、研究所、県の研究所ですから、そこで調査をしてほしいということで調査をしたというのがきっかけですね。

ですから、水の問題というのは、やはりその土地の人たちが考えて、あるいは、地域を代表する議員さんとかも含めて、地域の人たちが考えていく問題だと思いますね。議員さんも含めて土地の人たちですね。富士山のまわりでも自治体が関係する沢山の観測井戸があります。

【参加者B】 たまたま富士山ということで、先週、移動教室で富士山の5合目のあたりを歩いてきたんですけれども、やはりそこでの植物や何かの影響とかもありますでしょうか。森林の状態とか。

【長瀬】 富士山は、上のほうは永久凍土が分布しほとんどしみ込まないんですね。傾斜が急なもんですから大体標高1,700m以上では雨水はほとんどしみ込まないと言われています。標高1,700mから下ぐらいからだんだん、スロープが緩やかになり水がしみ込みますね。地質によって水がしみ込んだり、しみ出したりということが繰り返されます。しみ出すようなところでは、植物が繁茂するというか、生育できる。ガサガサの溶岩では保水力はなく、地下水は深部に浸透する。そんな所では植物をはじめ生物は生きられない。そんなような状況ですね。

【参加者C】 大変貴重なご意見をありがとうございました。この間、テレビで見たのですが、アメリカの場合は、地下水をくみ上げて、それを飲料用にするという話がありまして、日本の場合も、そういうことが幾らかの地域ではあると思うのです。地下水は、一体だれのものなのか、湧き出たから、その土地の人のものなのか、地下水はどんどんくみ上げられて、商業ベースに乗ると、枯渇する場合もありますので、そういうことに対する行政の取り組みとか、法律ではどのようになっているのか、そういう面についてお伺いしたいと思うのですが。

 

 

 

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