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【長瀬】 神奈川県のデータで申しわけないのですが、神奈川県でも、結構場所によっては地下水を使っています。例えば、川崎では、水道の水のかなりの部分を地下水に頼っており、川崎が14万7,000トンで一番多くて、その次が小田原が10万6,000トン、南足柄が7万5,000トンで、秦野市が先ほど言った5万9,000トンというような、こんなような数字なんです。地下水は、それじゃだれのものかというと、日本の法律では、地下水というのは、一応土地を持っている、土地の所有権というのはずっと地下に及ぶということで、その土地所有者のものということなんですが、でも、地下水は、その中をどんどん流れていきますから、ですから、秦野市の場合には、市長さんがいろいろな法律をつくって、地下水を保全しているわけです。秦野市では地下水は市民共有の財産と宣言しています。

そういうような考え方は、秦野市内の企業の方々も納得してくれると思いますね。つまり、秦野市の場合には、地下水をくみ上げて使っている会社から、1トンくみ上げると20円ずつお金をいただいているわけです。地下水をくみ上げて20円いただくというのは、ほんとうは秦野市では企業と話をして、企業の方々もそれに協力して、トン当たり20円というと、秦野盆地全体ですと、年間にして3,000万円とか4,000万円とかというお金になるわけですが、そういうようなお金でいろいろまた地下水の保全の事業ができるということですね。お金より企業の節水の効果が大きいです。

日本の法律の上では、確かに地下水は公水ではないのかもしれないんですけれども、今、企業の方々も環境問題に非常に関心があります。企業の協力は節さえとおれば可能と思います。この間、富士山の近くの富士市でシンポジウムを開いたんですが、企業の方々も見えて、環境問題に対して非常に熱心に発言されていました。私の感じでは現在は一般市民より企業の方が環境問題に熱心と思います。(スライド9)

 

 

 

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