日本財団 図書館


水が空っぽになって、この下流のほうに、柿田川という川があって、国道1号線のすぐ下からこんなにたくさんの水が沸き出しています。1kmほどの流れのあいだに1日に120万トンぐらいの水の流れになって、流れていくわけです。

これが柿田川ですが、非常にきれいな水が、夏でも水温が15度ぐらいの水が沸き出して流れています。こういうような水を、地域の人たちが非常に大切にしようとしていろいろな運動をなさっているんですが、やはり先ほど話したように学校、あるいは生徒さん、あるいは社会全体の世論形成が、今の段階では、先ほどの秦野市に比べると、まだまだおくれてしまっているなという気がするわけですね。

やっぱり私はこういうようなところできちんとデータを取って、そういうようなデータを、生徒さんもそうですし、社会の人たちに理解してもらえる社会教育施設、小さな博物館が必要だと思います。水の問題というのは地域の人々の理解で非常にうまく解決していくんですが、なかなかそれにはまだ時間がかかっていくなという気がするわけです。

地下水学会ではあちこちでシンポジウムを開いています。東北のある町では、水道水としてダムの水を使うか、あるいは地下水を使うかということで、いろいろ議論されているんですが、やっぱりそういうようなときに、地域の方々が地域の水についてよく理解していれば、これはやっぱり学校とか、あるいは地域の博物館などの社会教育施設を通して、十分そういうことを理解していれば、スムーズに水問題というのは解決される。何しろ水というのは、私たちの体の半分以上をつくっている成分ですし、水が無ければすべての生物は生きていけない。そういうような水を地域全体で大切にしていかなくちゃいけない。そういうような意味で、学校の先生方とか、あるいは地域の博物館等の果たす役割が大きいと思うんです。

ちょっと時間を気にして、十分説明ができなかったんですが、私のこの問題提起といいますか、お話はここまでとさせていただきます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION