今、盆地全体の井戸から揚水量を10%増やして、6万5,400トンにすると、湧水量あるいは湧出面積が80%ぐらいになってしまう。
普通の雨が降った年ではそうなんですが、雨が少ない年には、湧水量が60%にまで減ってしまう、こんなような計算の結果が出ているわけです。
こういうようなことはどういうことを意味するのかといいますと、例えば人口がこれから増えて秦野市の水の使用量が増えるときには、揚水量を増やせばどうしても湧水量あるいは湧出地域が減ることを覚悟しなくてはいけないんだよというような話ですね。
それから、例えば、そうじゃなくて、いろいろ開発があった場合、例えば、東名高速道路を作る、そういうような場合には、涵養量が減るため湧水量が減る。そのために地下水涵養施設をどれだけ造ると湧水が保全できるかというようなことが計算の結果出されたわけですね。こういうような数値をもとにして、水行政を展開することが可能になっているわけですね。
(スライド7)
これが盆地の南のほうで湧出している湧水ですね。こういうような湧水が何カ所かあります。そういう湧水が、例えば盆地内の井戸で揚水量を増やす、あるいは地面を開発すると、どのぐらい減るんだというようなことをシミュレーションにより数字でもって出しているわけです。
そういうようなことを参考にして、市長さんはいろいろ行政を展開するわけですね。例えば第2東名を通すときには、どのぐらい水を地下にしみ込ますような施設(涵養施設)をつくってもらわなくちゃいけないとか、そういうようなことが議論できるわけです。
(スライド8)
次に、富士山のほうなんですが、これは白滝公園という三島にある公園なんですが、ここでは地下水が湧き出して池をつくっているわけです。水が公園の中に湧き出す、これは非常に心をなごませる風景ですね。夏の暑いときでも、皆さん、公園に集まって、15度ぐらいの冷たい水の中に足を浸したりして、そういう時間を過ごせる。
そういうような水が枯渇していく。これは楽寿園の池なんですが、小浜池という池ですけれども、本来、この池に水があったんですが、最近、枯渇してしまっています。この年は、少し、池の底に水があります。でも、最近では、1年間ほとんど水がない。昔は水があったんですが、ない。平成年間に入って、1年中水がないような、そのような年が現れ最近そのような年が多くなっているわけですね。