しかし、盆地の地下の地下水を工場用水とか、あるいは生活用水として使っていて、その割合は70%に達しています。そういうような水に対して非常に関心が深い。学校の先生方と一緒に調査してきて、先生方も学会で発表する一方、学校の授業を通して話をされて、多数の市民を社会に送り出しました。
(スライド4)
これは丹沢から流れ出した水が、ほんとうの清流が盆地の中に流れ込むところですね。こういう川の水がみんなしみ込んで、盆地の地下に地下水としてたまるわけですね。
(スライド5)
その盆地の地下水が、だんだん減り出したわけですね。人口が増え、工場ができて地下水の揚水量が増えて地下水が減り出してきたわけです。昔、昭和33年、37年、38年、39年ぐらいまでは、ほとんどずっと1年間を周期に盆地の中の地下水の量というのは、雨が降れば増えて、冬になれば減ってと、こう変化していたんですが、それが地下水の使用量がずっと増えていくに従って、大きく変化するようになってきたわけですね。
大雨が降ったときにはもとへ戻るんですが、乾期には、冬には特には地下水の水位が大きく下がる。そのもとに戻る戻り方も、だんだん少しずつ下がってきて、傾年的な水位の低下の傾向が出てきたわけです。
これを調べていくと、1年間に大体37センチぐらい下がるということで、このまま水がめの水面が下がっていくと、秦野盆地の地下水が空っぽになってしまう、そういう心配がでてきたわけですね。
実をいうと、そのようなことはありません。使用量が例えば6万トンなら6万トンと盆地からくみ上げる量が決まっていれば、その量にみあったある程度下がったところで安定する。地下水というのは、そういう性質を持っているわけです。また、量か増えると、また下がって、下がったところで安定すると。そういうような量なんですが、ある程度下がると、例えば盆地の場合には、盆地の南のほうで湧き出している地下水、湧水の量が減るわけですね。また、さらに、くみ上げる量が増えると、水位が下がって、湧水量が減り、最後には湧水がなくなっていくという、そういうようなことがあるわけです。
(スライド6)
結局、いろんな調査をした結果ですが、こういうような結果が出ました。
これは平成9年を基準にしていますが、揚水量、つまり盆地の中で地下水をくみ上げる量が1日に5万9,400トンとしたときに、そのときの盆地の南で湧き出す量を100%とします。