これは近年、爆発的に増加している世界人口、あるいは人間が生産・消費活動を盛んに行うことと大きく関連しております。
海洋の汚染というのは、80%は陸域起源というふうに言われております。つまり、私どもが陸上でいろいろな生活をすることの結果が海にしわ寄せされて、蓄積されて、先ほど申し上げたようなことが起こってくるということでございます。
従来、海は無限の包容力があって、いくら魚をとっても、またいくら汚いものを流しても大丈夫だと思われていたわけですが、海にもそこまでの無限の包容力はないということが最近はっきりしてきました。
また、近年、海につながる森や川等の自然も開発により大きく損なわれております。それらが失われてみて、初めてその働きの価値の大きさが認識され始めたわけです。
このように大変重要な海、川、水でございますけれども、残念なことに、学校教育の場では、海、川、水について教えることが非常に少ないというふうに感じております。
また、最近の子供たちの周りには、自然環境が非常に少なくなっております。私たち、前の世代がしていたように、自然に親しみ、その中で遊んで、その遊びの中からいろいろなことを学んでいくというような自然体験が大変少なくなってきました。
そういう状況でございますので、学校教育の中で海や水のことを教えたり、体験させさせたりするということが従来以上に重要になってきているのではないかと私は思います。
私ども日本財団では、最近、ともすれば、人々の日常から海が遠くなり、また、それにつれて人々がほんとうは私たちに非常に重要な海とか水にあまり関心を払わなくなっているということに危機感を感じております。
いろんな私どもの活動の中で、少年少女が海、船、水に親しみ、知識と理解を深める助けとなるような活動を支援しておるわけです。
一例を申し上げますと、移動海洋教室、マリンサイエンスクール、あるいは船長さんの母校訪問、洋上体験航海、あるいは海、船関係の博物館活動、それからボートやカヌーなどで水に親しむ海洋センター活動、そういったさまざまな学習支援活動を助成してきております。
私どものホームページを見ていただきますと、いろいろなそういう活動支援を紹介しておりますので、興味のある方はぜひ見ていただきたいと思います。
そんな折でございますけれども、新しい学習指導要領によりまして、2002年から総合的な学習の時間が本格実施されるということになりました。