私事で恐縮なんですけれども、僕は今、石の研究をしていますけれども、それは小学校のころに学校の先生に、石の名前を聞きに行ったら、ひげの生えた立派な理科の先生だったんですが、「これはわからん。君、ルーペを使ってみたまえ」と。それでおしまいだったんです。初めて拡大鏡、老眼鏡じゃなくて、ルーペというものを聞いて、のぞいて、ほんとうに仰天しました。どうして石って、こんなにきれいなんだろうと。上の句は忘れたんですけれども、何とかで俳句をつくるときに、何とか何とか、石にも春の花模様なんていうことを、小さいときに言った。それが大きくなって、地球を研究するようになってしまったんですが。
やっぱり物を拡大するとか、違った視点で見るとか、見えない物をビジュアライズするというのは物すごく大切で、今日の波の実験なんかは、まさにビジュアライズ、ビジュアライゼーション。だから、学校の授業では、時間がかかって大変だけれども、総合の学習では、それができますから、ぜひ物が見える形に持っていくということ。そして、その中から原理につながるヒントみたいなものを、彼らが、子供たちが学んでもらう。それがいいんじゃないかと思うんですね。
ビジュアライゼーションについて、先生、何か。
【木村氏】 一番最初に、時間をどうやって、例えば非常に長い時間をどうやって教えたらいいか、それをどうやってとらえたらいいかというお話がありましたけれども、私の分野、気象とか海洋とか、もっと地球のことでマントル対流なんていうのもあるんですが、地球のいろいろな営み、自然界の営みを理解しようというときに、やはり時間の感覚というのが、すごい重要なんです。
だから、僕自身、どうやって自然の時間というものを頭に入れるかというのは非常に重要な問題なんですが、例えば今日は一面曇っていますけれども、晴れた日は雲がぽかっと浮かんでいる雲があります。見ていると、あまり動かないですよね。ぽこっと雲は浮かんでいるだけなんですが、時間を20倍ぐらい速めたビデオで撮影すると、どんどん変化しているのがわかります。ですから、人間の感覚というのは、時間変化というものに対して、ある範囲の時間の変化だったらわかるけれども、それを越えちゃったら、速くても遅くてもわからないんですね。