それよりは、目の前の、例えばこのパックについて考えてみようとか、これは何だろうかとか、これはどういうふうに処理されるんだろうかとか、そういう個別の問題から入れば、自然にどこかに行き着くと思うんですね。それは、自然により広い世界を見るということになります。
バイオというのも、そうですね。バイオ、バイオをやろうと言うんだけれども、一体何をやるのかわからない。これも、やはり個別の問題からスタートすればいいんです。
【木村氏】 特にマクロな自然とか、自然科学と言ったときに人間性がありまして、僕はさっき、ルールと言いましたけれども、ルールの探究という面があるんですよ。特に物理は、そういう面が多くて、何かしら法則を教えて、あと、いろいろな現象が、それの具体例という形でとらえようと。そういう発想があるわけなんですが、物理学の教科書というのは大体そういう発想で書かれていて、まず最初に法則ありきなんですよね。
ところが一方では、地球科学は、生物学もそうだと思うんですが──非常に複雑な構造を持っている世界なんですね。結構マクロな構造を持っているわけですね。そういうものは、僕はさっき法則のことを強調したけれども、法則から演繹されるものではないんですよ。法則には確かに従っているんだけれども、それが非常に複雑に1つのシステムをつくると、単なる法則を知っていれば複雑なシステムがわかるという問題じゃなくて、もっと別の視点というのが必要になってきます。僕は、それが自然認識というか、自然観というか、そういうものとまた結びついているんではないかと思うんですが、ある切り口から、すべて説明つくというのはちょっと無理かなと。
例えばこの自然というのは、原子のスケールから宇宙のスケールまで、空間的には物すごいスケールだし、時間的にも、ビッグバンの150億年から、ごくごく瞬間的に変化する、物すごいタイムスケールまで含んで、1つの世界ができている。その中に僕らは存在しているわけです。それのとらえる切り口というのはどういうふうにして、それをとらえるかというと、結構奥深いものがあります。