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すべてのことをやって、この水がきれいだというので、そのインデックスとして、珪藻類が、こういうのがあるなんて、徹底した調査は必要ないわけです。そこが、総合の学習の総合性というのの広さと同時に浅さが必要だと。この認識は僕は物すごく大切なんですが、だれも強調しません。大体、学問の世界で浅さを強調すると、あいつはばかだと。浅はかなやつだと言われるんですね。

この辺は僕の偏見かもしれませんので、お二人の意見を伺います。

【西田氏】 まさに浅さが必要だというのは、私は、おっしゃるとおりだと思うんです。例えば環境をやりたいという言葉は、最近、どこでも聞くわけですね。大学でも、学生さんを集める、あるいは大学の将来像を考えるときに、環境というものがどこかにないとだめだという議論がよく出るんですね。ですけれども、実は環境ということで例えば環境学科とかをつくったときに、そこで何をやろうかというと、みんな困ってしまうんですね。要するに言葉だけで、環境をやれば何か安心すると。そういう風潮があるんですね。

そうではなくて、環境というのは、どんなところにもある問題なんですよね。例えば生き物を考えてもそうですし、建物を考えてもそうですしね。工学の分野でも、環境がかかわってきますし、どこでもかかわってくるんですね。ですから、頭から環境とは言わずに、逆に身近な問題で何があるだろうかということを考えて、そこからまず始めることが重要です。そのときに問題を広げる視点が必要で、そのためには浅さ、つまり広い知識が不可欠になります。

環境ということは悪いことばっかりではないという話がありましたけれども、さっきの木とは一体何だろうか、あるいは土とは一体何だろうかということから始めて、まずそれを見てみる。そうこうするうちに、じゃ、土がこういう性質を持っていて、例えばこんないいことがありますよ。あるいは生態系の中で、こういう役割を果たしていますということがわかったときに、じゃ、これがこう変わったときにはどうだろうかとか、そういうふうに考えることで、自然に環境の問題になるわけですよね。そういうふうに、まず環境、環境として、頭からテーマを探そうとすると、どうも、やっぱり問題に行き着かないですね。

 

 

 

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