この意味はおわかりですか。今日の話なんです。箱根の早川の流域というのは森がたくさんあって、湿気がいっぱいで、そこへ全部しみ込んじゃって、出てこないんですよね。今ごろになって、ちょろちょろ出てきて、大して量は変わってない。あれが砂漠に降ったら、一気に洪水になって、砂漠は水で潤わないですよ。という話と同義なんですね。
という展開ができるのは、やっぱり幅広く知っているというご指摘は大変いいので、いろいろな事柄、つまり、それは物理的な事項が基礎にある。だけれども、材料が違い、場合が違い、タイムスケールが違うとまた違ってくると。そういうことが無限に、総合の学習の中には局面があるわけです。だから、それを逃さないようにするか、逃しても、それを意識して逃さなきゃいけないものがあって、それにこだわっていたら、おそらく1年たって、何もわからないかったということになると思うんですが、そこにプログラム化する。つまり学習というか、教育として、学習の中の組織立ったシステムとしてまとめるというところにご苦労があると思うんですが、ちょっとアンケートを拝見しますと、まずテーマで困っていると。卵、水、土をやってみたいと思っていると。国際理解としては、遊びが大切だと。水の性質をいろいろなテーマですから、表面張力、確かにここにありますが、乾いたスポンジの話を指摘しておられる。そういう方もいらっしゃいます。それからエネルギーを結びつけて考えたいということ。
それから、環境問題というのがある。ちょっと僕は、これは失礼ですけれども、現在の環境問題という言葉に汚染されていると思うんですが、飲み水の汚染とか、生活用水の中とか、下水道の処理とか。つまり環境問題というのは、環境悪化を問題にする量的局面であるということと地球の環境問題というのは、そうではなくて、地球がどういう環境に置かれているかということを、量的とか、そういうことからは関係がない生態系の問題ととらえるべき問題とが、ごっちゃごっちゃになっていることが多いですね。だから、そういう区別をしないと。かつての文部省は、環境という言葉を大いに嫌って、環境学科というのを置かなかった。なぜならば、学生が集まらないから。イメージが悪いから。というんで、東京大学にも工学部の底が割れた。言いかえれば、定員がいっぱいにならなかったという時代もあるわけです。そういうことから、このごろは何でも環境。