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だから、ちょっと植物、動物というのは体のつくりも違うので、個体というと少しイメージが違いますけれども、原則としてはつながっているものということでしょうか。

【濱田氏】 なぜ、こんなことを西田先生に、くだらないことを質問したかと申しますと、科学の成果としてのいろいろな説明の仕方、これは説明の仕方であって、真実では、まだないわけですね。例えばついこの間まで、3階法、それが5階法になって、分類だとかで細かいことを言い始めて、分類はいっぱいあるわけです。そして、今までと分類が違うとかと。そして、もっとすごいことは、種というのをどう定義するかというのが、化石屋さんと塩素屋さんと違うわけですね。今は遺伝子のレベルだとか、分子化学のレベルで種を定義しようと、一生懸命努力している人と遺伝子の中で継続性があるものをどういう風に、遺伝子が非常に変動的であるということで困っている人たちがいます。さまざまな見解があって、種なんて定義できてないんですね。また、種が混雑できれば、それは同一種であるという定義は、あるとき、いきましたけれども、そうじゃないこともあるし、地理的隔離が起こればということは、同じ場所にいて亜種ができているということの説明することもできないと。

ともかく、謎だらけになっていく。これが学問の進化、進展につながっているわけです。子供たちは、これからの世界で、そういう場に遭遇するわけです。だから、むしろ先生たちが、教科書どおり、書いてあることをこうだと、もし教えるような立場を取られなければ、子供たちは、さっきの木村先生のすり込みでもいいんですけれども、不思議なことがあるもんだということを信じていれば、さらに展開する。だから、信じてしまったらおしまいだというのは、ちょっと言い過ぎでしょうか。物理学では、そうはいかなくて、もっとクリアなことを望んでいると思いますけれども、物理学者としての先生の自然観というのはいかがでしょうか、木村先生。特に教育とか、学習とかというときに、そういうことが子供たちにどう伝わるかということで。

【木村氏】 濱田先生が言われたように、自然というのはわからないことのほうが、僕は圧倒的に多いという感じがしているんですね。私は、ずっと子供のころから理科少年で、ずっと理科の世界から全く離れないで、結局、一生終わっちゃうような感じなんですけれども。

 

 

 

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