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【木村氏】 ある程度、そういうことは人間が生きる基本的なサバイバルの方法というのは、僕は教育に入れ込むべきだと思いますね。というのは、今、あまりに安全、安全のほうで、そちらのほう、生徒の安全のほうばっかりに目が向いているために、かえって、それが危険な目に遭うんです。要するに危険というものがどういうものか、何て言うか、自分で体験してないといいますかね。そういうところがあるんじゃないかなというような気もしていますね。

【濱田氏】 ありがとうございました。

西田先生、今の点とは直接関係がないかもしれませんけれども、僕が存じ上げている西田先生は、実は西田先生のお父様と私は一緒の仕事で、地球の歴史の中で植物関係、こちらは海の動物関係をやっていて、そのご子息でいらっしゃるから、当然、生い立ちはおやじさんの背中を見て育ってきたと思うんですけれども、そういう環境は別として、先生は、やっぱり時間の長さ。さっきはビジュアル系ということを木村先生が言っていることでは大きかったけれども、時間はまた見えませんよね。これをどう説明するのか。大学では、どうなさっていますか。難しいですよね。

【西田氏】 最近は非常に速く時が進んでいる感じがしますし、コンピューターの発達もあって、私たちも非常にせわしなく仕事をさせられているわけですよね。そういう中で時間を考えるときというのは、かえって学生もないような気がします。何かわさわさしている間に、時だけ過ぎていって、じゃ、一体、自分は何をしているのかとか、どうであったのかということをあまり振り返ることがない。

私は、生物学の中でも生物の進化をやっていますから、授業の中でも、できるだけ大きな時間スケールというのをテーマにして話をしています。特に時間のスケールというのは、口で言ったって、何億年と言ってもわかりませんけれども、その中に生き物でしたら、進化という要素が入っていますので、地球の環境変化や、生物の変化の過程というのを一緒に合わせながら話をするということで、ある程度、時間の感覚というものを大きなスケールで感じてもらうようにしています。具体的にどういうものか

【濱田氏】 僕の経験はちょっと狭いかもしれませんけれども、このごろ、放射性同位体を使って、年代をはかる。そういうのが出てきますと、教科書にすぐ出てくる。

 

 

 

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