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長々となりましたけれども、これから、今日、貴重な話題提供をいただきましたお二人に、ちょっと僕がインタビューアーとしてお話をお聞かせいただきます。よろしくお願いします。

順序は逆になりますけれども、課外授業まで、休み時間を利用してやっていただきました木村先生に伺いますが、木村先生のお名前が、龍治、龍巻の龍を書いて、それを治めるというんだから、風をないでしまうようなんですけれども、何か先生、子供のときから、気象とか、渦とかというのにご関心がおありだったんですか。

【木村氏】 海や気象は大分後からで、子供のころは宇宙とか、ロケットとか、探検、そういうところがすごく僕は興味をひかれましたね。特に探検というのが僕は随分ひかれて、例えば僕の頭の中にすり込み現象というのかな、そういうのが起こっていて、アルプスのウィンパーとか、南極のアムンゼンとか、チベットのヘディン、アフリカのスタンレー、そういう言葉が多分、小学校ぐらいからすり込まれちゃっていて、アフリカだったらスタンレーというわけですね。チベットだったらヘディンがくるわけですよ。それは探検家の名前ですね。結局、やっぱり探検家というのは、未知の世界へ入って、苦労しながら、死ぬか生きるかというような目に遭いながら。

【濱田氏】 死んじゃったのは、ウェゲナーがそうですね。

【木村氏】 ウェゲナーとかね。死んだ方も随分多いんですが、非常に運よく生還された人もいますよね。そういうのから、何と言うかな、いろいろ冒険しながら、自分は知らなかった世界を知るというのは僕にとってはすごい楽しかった。子供のころからですね。

【濱田氏】 冒険という、これは言葉は人文的なのか、科学的なのかよくわかりませんけれども、ハンズ・オンという言葉の究極ですよね。実体験でしょう。成功するかしないかというので、成功というのは、その人の人生にとって成功するか、あるいは命にとって成功するかは別として、貢献することは物すごく大きいですね。これは非常に今の教育制度の中に欠けているところですね。いいところばっかり取ってしまうと冒険がない。教育に冒険を、というテーマが成り立つと思われますか。

 

 

 

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