日本財団 図書館


リブでの学習時間

14:00〜17:00

18:00〜21:00(火曜日、金曜日に実施)

【第1週】kの脱感作30分した後、hの脱感作30分を行う。これを昼間の学習時間内に2セクション、1週間繰り返す。

【第2週】前述のA子さんの授業を教室の後ろで見学する。その後、大検を受ける動機などA子さんに語ってもらう。

次回からA子さんに対し、「こんにちは」のあいさつを励行することをセラピストと約束する。SUDのfの克服。

【第3週】火、金曜日の夜、前述のH君のクラスで、H君といっしょにいちばん前の席に着き授業を受ける。30分から始め、90分まで段階的に時間の延長を行う。その間、クラスの人数を不規則に変化させ、人の出入りに対する反応を調べる。

【第4週】第3週では、人の出入りが激しくなるとおなかの不調を訴え、ソワソワと落ち着かなくなることが繰り返された。したがって、この第4週ではもう1度、第3週のプログラムを最初から繰り返すことにする。

 

7月−SUDのb、c、d、eを実行に移すため、授業時間を延長する。

自律訓練は一進一退の状態で、トイレの回数が多い日は、単純椅子姿勢の自律訓練も効果がない。また、朝、昼の自律訓練は8割実行されているが、夜はほとんど練習が実行できていないのが現状である。そこで、日記に自律訓練の感想を書く欄を設け、積極的導入を働きかけた。

同時に受験まで1カ月を切り、両親の「本当に受験ができるのだろうか。勉強は進んでいるのだろうか」などの不安が表面化し、R男に微妙な影響が出始める。実際、F市で過度の緊張を強いられる毎日を送っているため、週末に帰省してもゴロゴロしているR男に両親の焦りは募り、「テレビの見過ぎだ」とか「勉強をしなさい」などの注意が増え、そのつど激しい口論となる。そこで、電話で母親のカウンセリングを行う。

【第1週】SUDのf〜iを繰り返す。

この間、A子さんと簡単な会話を持てるようになる。A子さんに対する抵抗が少なくなったので、SUDのd、eを実行に移す。

【第2週】eの脱感作は思ったより難しく、教室の前と後ろでは極端にトイレに行く回数が増えてきた。1週間休み、席の位置を後ろ、中、前と段階を追って変えていくが、前の席だけは落ち着かない様子である。

7月中旬−dの脱感作を数回行う。いずれも落ち着きがなくなり、視点がさまよい、学習が困難になる。受験まで2週間なので、本人の体調を考えe、dの脱感作を中断し、代わりにbの脱感作を行うことにする。

7月12日(金)―市内の美術館に連れて行き現実脱感作。

静かな場所でおなかがゴロゴロ鳴るのを気にするR男にとって、長時間美術館で過ごすのはプレッシャーの筈だが、セラピストがいっしょという安心感からか、絵画鑑賞を楽しんだ様子である(ここではセラピストが逆制止の役割を見事に果たしたといえる)。

7月19日(金)―市内のデパートに連れて行き現実脱感作。

Sデパートの入り口で、決められた物品を購入し、1時間後に待ち合わせ場所に来ることを取り決める。セラピストは見つからないように尾行し、R男の行動を確認する。

 

 

 

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