―所感―
あらゆる手助けを求める努力を
私は27年間にわたって、自分の力では外に出ることのできない、不登校で引きこもりの少年、社会に出ることのできない、引きこもりの青年に付き合ってきた。その経験からして言えることは、
“どのような不登校なのか”
“どんな引きこもりなのか”
をまず分類することが必要なのだ。待てば、
“自分から動けるのか”
“自分からは待っても動けないタイプなのか”
大きくは、この2つのタイプに分類すること。
さらに、いずれかに分類されたら、この子に最も有効な場、手段は何かを考えること。親が考えてわからなければ、児童相談所、保健所、児童精神科医、公的、私的を問わず諸施設の専門家の手助けを求めるべき。親の力だけに頼らず、あらゆる人々の手助けを求めるよう努力して欲しい。
それが何カ月であっても、何もせずに待ち続けることは、本人の苦痛の時間を延長しているに過ぎず、百害あって一利なし。
子育てと社会性の獲得は、親だけの力ではできず、多くの人々の手によってはじめて可能になるものだ、ということをぜひ承知していただきたい。