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●源太君の事例

 

《家族構成》

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当事者について

現在33歳の源太君とは、ボランティア活動を通して出会いました。その活動とは、木崎浜や宮崎市内の掃除です。

彼は、小学校、中学校、高校、大学と何不自由なく育てられました。最高の環境の中、親の思うままにすくすくと育てられました。それは、育つということを忘れたということでもありました。彼は、親に感謝しつつも、大学時代これでいいのかと、悩み続けました。

そして、22歳で精神病院へ入れられました。当時は、大声を出したり、ひとりでは立てなくなったり泣いたりで、とにかく閉じこめて欲しい状態だったそうです。

 

親の決めた人生

源太君とは、とにかくいっしょにボランティア活動、ごみ拾い、トイレの掃除をしました。3年ぐらい前より心を開いてくれるようになり、今では彼の家は病院ですが、よくいっしょに活動をしてくれます。彼が心を開いてくれるようになったのは、私が必ず掃除をするから、決められた約束を必ず守るから、うそをつかないからだそうです。

親が、大人が、これがこの子の一番の幸せなんだと思ったことが、本当に幸せでしょうか?本人の意思で生き方を見つけて進むことこそ、幸せじゃないでしょうか?

大人たちは、もう一度、子どもの教育を考え直して欲しい。今でも私の近くにいっぱいいます。言葉では他人の幸せを言いながら、心の中では自分の子どもの幸せだけを考える大人が!

大人たちが変わらないと、子どもは生まれてきてよかったと思わないのではないでしょうか。

 

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近くの駅での清掃作業。ゴミ袋はあっという間にいっぱいに。

 

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昼食風景。材料の調達、調理もすべて自分たちで。

 

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自然楽校は、文字どおり自然の中で学ぶ学校。自然から生きる力をいただき、自然への感謝も忘れない。

 

 

 

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