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しかし、自室の中に閉じこもっているよりは、人との交流を持つほうが将来的には学校復帰あるいは社会復帰につながる機会に恵まれるのではないだろうか。非行集団とのかかわりは避けなければならないが、適応指導教室やフリースクールはもちろん、よりインフォーマルな仲間集団との接触が可能であれば、ぜひ子どもを外へ送り出して欲しい。そして、世間の人々には、不登校の子どもたちを仲間として温かく受け入れていただきたい。

不登校期間中および学校復帰直後は、将来のことが大変不安であった。しかし、結果として、不登校の経験はその後の生活の糧になっているように思う。私の場合、学校復帰後は不登校以前よりも学習意欲が高まり、学業成績の回復とさらなる伸長は、自分でも予想外であった。

そして現在は、大学院で教育心理学を専攻しつつ、ボランティアとして不登校の子どもたちとかかわっている。学習を始めるのに遅すぎるということはないように思うので、周囲の方々には、焦らずに対応していただきたい。

 

 

 

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