日本財団 図書館


実行上の問題点:(C-2・iii)「荷役中の締固め」と同じ。

(c-3-ii) ポンプによる水の除去

概要:貨物の上面に水が浮いている場合、ポンプで排出する。

安全上の効果:安全上効果を有すると考えられる。しかし、貨物の上面に水が浮くようであれば、その貨物は剪断強度が低いと推定され、運航には特に注意を要する。

実行上の問題点:水分値の高い貨物上部で当該作業を実施することは非常に困難であり作業者の危険も伴う。(当該作業は、むしろ、航海中などにおけるやむを得ないときの緊急手段に位置付け、常時実施する作業として位置付けない。)

(B-4i) (航海中)貨物の状態監視

概要:毎日定期的に貨物の状態を目視等により観測し、異常がないことを確認する。航海中に貨物の上面に水が浮いてくる場合や、貨物のスロープが低くなっている場合、その貨物は荷崩れの危険が高いと判断できる。

安全上の効果:荷崩れの危険性が高いとの情報が得られれば、操船、航路選定等の判断の参考となり、安全上有効であると考えられる。

実行上の問題点:航海中に人が船倉に入りることは危険を伴う作業となる。(合わせて監視カメラの導入も必要となる。)

(B-4-ii) 船会社への定期連絡

概要:「(B-4-i)(航海中)貨物の状態監視」と併せて、貨物の状態等を船会杜に定時連絡する。

安全上の効果:操船や航路選定の助言、了承が得られ易くなり、安全上有効であると考えられる。

実行上の問題点:例えばE-MAILで通信できる装置(パソコン等)の設備が必要となる。

(B-4-iii) ウェザールーティング

概要:ウェザールティングサービスと契約し、海気象情報を得るとともに、推奨航路に関する情報を得る。

安全上の効果:安全な航路を選び易くなり、安全上の効果が期待される。但し、ウェザールーティングを実施しても、荒天に遭遇することもあり、この対策だけで充分に安全が確保されるものではない。

実行上の問題点:費用を要する。

(B-4-iv) 横揺れ抑制操船

概要:荒天時には、横揺れを抑制するため、針路変更・減速を行う。なお、波を縦に受ける際には、船体強度に充分に注意する必要がある。

安全上の効果:安全上の効果は期待できる。但し、操船だけで横揺れを充分に抑制できるものではないため、この対策だけで安全が確保されるものではない。

実行上の問題点:南北航路が多く航路が比較的限定されることから、太平洋や大西洋などの大洋を横断するときのように十分な避航海域の確保が難しい。

(B4-v) 船倉の通風(貨物の乾燥)

概要:天気の良い日に船倉内を通風することにより、船倉内の結露による水滴等を除去し、貨物の表面の水分を飛ばす。

安全上の効果:貨物の表面に析出した水分や結露による水滴を除去することは、貨物内部に極端に水分値の高い層を作らないとの観点から、ある程度は安全上の効果が期待できる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION