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関係提案文書は、DSC6/5とDSC6/5/1(通信グループの報告)であるが、このうちDSC6/5の内容は通信グループ(DSC6/5/1)で既に考慮されているため、DSC6/5はプレナリーで紹介されただけで、審議はなされなかった。

日本は、改正BC Code案において、日本の意見が採用されなかった部分のうち、特に重要な二点(フェロシリコンの通風要件、シードケーキの消火設備)について、提案文書を提出した。(DSC6/5/5)

(ロ) プレナリーでの審議(WG設置前)

通信グループの報告及び日本提案文書が紹介され、意見を求めた後、WGで審議したい旨を議長が述べたところ、英から、通信グループが求めている主な論点について、プレナリーで逐一審議すべきであり、重要な審議でないのなら、WGではなくDGで良いとの意見が述べられた。ライベリアも、通信グループが求めている主な論点を逐一審議すべきとの意見であった。これに対して仏が、時間を節約するため、逐一審議する必要は無い旨を述べ、日本、豪、独はこれを支持した。事務局のメトロポリス氏が、プレナリーで意見を聞くだけ聞いて(逐一審議しないとの意)、後はWGで検討してはどうか示唆し、韓国がこれを支持した。結果として、詳細はWGで審議することになった。

WGは、途中経過を木曜日の朝にプレナリーに報告し、引き続き実施して、次回会合に報告を提出するよう指示された。

(ハ) WGでの審議

WGでは、いかにしてBC Code案を完成させるかが度々議論になり、CGの設置も検討されたが、Coordinatorを引き受ける者がいなかった。豪は、初日(月曜日)を除きWGには出席しておらず、Coordinatorは断った。日本にも打診されたが、日本はBC Codeの様式改正を積極的に進めているわけではないため、断った。

通信グループの報告(DSC6/5/1)で指摘されている審議事項について逐一検討したが、議長(フランス)がその場で審議事項を学習していたため、日本が度々通信グループが指摘している事項の論点を紹介するなどしたが、審議がなかなか進まなかった。

フェロシリコンの通風要件については、ノルウェーが「連続通風が必要」との意見を述べたが、日本の提案が受け入れられ、必要な部分に「天候が許す限り」との文言を入れた。シードケーキの消火設備については、日本がそのような記述をBC Codeに入れることの意味を説明し、米国が、「炭酸ガス消火設備の排出口を船倉底部付近に設けるのは、専用船でない限り現実的では無い」との意見を述べ、日本提案の通り、「炭酸ガス消火設備の排出口を船倉底部付近に設ける」(英が主張)旨は、BC Codeに記載しないことになった。

通信グループにおいて日本が指摘したMSC/Circ.671 Table1(固定式消火設備が不要なばら積み貨物のリスト)の改正については、その必要性が認識され、現行BC Codeの改正に伴う貨物の名称を整理し、併せて、MSC/Circ.671作成後に現行BC Codeに追加された貨物を追加し、案が作成された。併せて、Table2も、現行BC Codeとの整合を図るための改正が行われた。また、新BC Codeとの整合を図るための文言の改正(Appendix BをGroup Bにする)を行った。しかし、改正BC Code(新様式)が採択される前にMSC/Circ.671が改正された場合、不整合が生じるため、この点に留意すべき旨を述べた。

硫化金属精鉱及び鉱物精鉱のWeather precautionsについては、「水分値計測後に水分値が増加しないようにすること」が加えられ、「少しの雨なら荷役できる…」との文は削除された。但し、Loadingの項では、「有意な雨(significant rain)の場合は荷役を中断し、ハッチを閉めること」との記述になった。

その後、BC CodeのForewordからSection12まで(本文)のClear Textを作成したが、貨物の個別エントリーを含む付録の審議にはいたらなかった。今後の対応に関する長い審議の後、次回会合で引き続き検討した旨を報告することになった。なお、議長(トロヤ、フランス)は金曜日の朝に帰国し、プレナリーへの報告は米国のマクナマラが代わりに行った。

(ニ) プレナリーでの審議(WG設置後)

金曜日の午後にWGの報告の順番が回ってきたが、時間が無かったため、WGの報告の審議も次回送りとなった。

 

 

 

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