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5 BC Codeの改訂(固体ばら積み貨物の特性評価を含む)(議題5関連)

(1) 液状化物質判別試験法

(イ) 経緯

日本は、液状化物質の範囲を明確にするため、固体ばら積み貨物が液状化物質か否かを判定するための試験法を開発し、これをMSC/Circularとして回章するよう、第2回会合に提案した(DSC2/12/1)。これまでにポーランドは日本が開発した試験法を実施するとともに、日本提案を支持してきた。前々回会合において、この試験法に関するデータの不足が指摘されたため、日本をCoordinatorとする通信グループを設置して、データの拡充に努め、DSC6に報告した(DSC6/5/3)。

(ロ) プレナリーでの審議

日本は、試験法の名称(Liquefaction Potential Test)が理解され難い原因の一つとなっていると考え、名称の変更(Liquefaction Material Identification Test)を提案した上で、通信グループの結果について報告した。これに対して英、加、米が、さらに多くの貨物について試験を実施する必要がある旨を指摘し、日本は、試験法の有効性評価のための研究のための適当な試料がないことを指摘した。結果として、IMO文書として回章しない方向で議論が進められることとなった。また、BC Codcの改正を優先して審議することとなった。

(ハ) ワーキンググループでの審議

時間切れにより、審議されなかった。

 

(2) イルミナイトサンドの液状化事故(DSC6/5/4、フィンランド)

提案文書がプレナリーで紹介されただけで、WGでは審議されなかった。フィンランドの代表に、情報を送るよう求めた。

 

(3) 銅精鉱の液状化事故に係るBC Codeの改正(DSC6/5/2、オーストリア)

(イ) プレナリーでの審議(WG設置前)

英国は、DSC6/5/2による改正提案に基本的には合意した。米国は、荷役前の状況等詳細な情報が得られない限り、新BC Code案の改正は不要との考えを述べた。これに対してオーストリアは、状況は前回会合(DSC5/5/1)で示したこと、水分値の情報は無かったこと、トリミングは殆ど行われていないことを述べた。豪は、改正提案を原則支持した。結果として、原則支持として、前回会合への提案文書(DSC5/5/1)と合わせて、WGで審議することとなった。

(ロ) WGでの審議

提案されたBC Codeの改正内容は、既に新BC Code案(DSC6/5/1)に含まれている旨が多くの国から指摘された。また、カナダは、非常識な運航による事故であり、BC Codeの改正を論ずるに値しない旨を述べた。一方、オーストリアは「表面が乾いて見えても液状化が起こる」「短時間で転覆する」といった注意事項を入れたいとの意見を述べた。日本が改正するとした場合の文節を示し、これら二点について、簡単な文及び言葉が入れられた。

前回会合で提案されたBC Code8.3節(液状化現場試験法)の改正については、その必要はないと判断された。

(ハ) プレナリーでの審議(WG設置後)

特段の意見は無く、DSC7へWGの報告書が提出されることが合意された。

 

(4) BC Codeの改正(DSC6/5、DSC6/5/1、DSC6/5/5)

(イ) 経緯

前々回会合において、豪がBC Codeの付録A(液状化物質)、付録B(化学的危険性を有する物質)、付録C(液状化物質ではなく化学的危険性も有しない物質)及び付録E(付録Bに記載されている物質に関する非常措置)について、Codeの構成を変更し、これらの付録に記載されている要件や情報を物質毎にまとめる改正を提案したところ合意され、豪をCoordinatorとする通信グループが設置され、検討が進められた。この通信グループ(DSC4〜DSC5)においては、現行BC Codeに記載されている内容を変更することなく、新様式のBC Code付録案を検討することになっていたため、日本は参加していなかった。前回会合では、内容の変更をも含めて検討する通信グループが設置されたため、日本はこれに対応した。

 

 

 

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