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(ヨ) 英国提案(DSC6/3/27)

IMDGコード第30回改正の海洋汚染物質に係る訂正事項を提案した文書DSC6/3/8(独)に関連した提案である。「海洋汚染物質」の基準が曖昧であり明確にする必要がある。また、現在、GESAMPはMARPOL73/78、ANNEXII物質(660種)の見直しを優先的に行っており、MARPOL73/78、ANNEXIII物質(1400種)の見直しは手つかずとなっている。このことから、CGを設置しANNEXIII物質の見直し(海洋汚染物質)を進めることを提案している。審議の結果、本提案は合意されず、小委員会では当該作業を行わないこととなった。

(タ) CEFIC提案(DSC6/J/4)

IMDGコードを国連勧告の内容に整合させたため、IBCsの運送に際してsheeted vehiclesの使用ができなくなったため、当該規定を第29回改正の内容に戻す提案である。本提案は、原則合意され、詳細については、E&Tグループに委ねられた。

 

4 非常措置指針(EmS)のガイドライン(議題4関連)

プレナリーにおいては特に発言はなく、WG2でEmSのガイドラインの作業が続けられることになった。WG2(議長:独Hoefer氏)において、INFコード非適用船舶の放射線モニタリング設備の必要性、及び水と爆発的に反応する物質の取り扱いについて議論した後、CGが作成したガイドライン(DSC6/4/1)のレビューが行われた。本件は2002年終了予定であったが、IMDGコード第31回改訂に合わせガイドラインを作成することが望ましいとの観点から、作業を急ぎ今回で作業を完了させた。主な議論は以下の通り。

(1) INFコード非適用船舶の放射線モニタリング設備の必要性

IMDGコードでは、放射線防護計画の作成(1.1.3.2)及び隔離の条件(7.2.9.7)が記載されており、特別な船舶についてはINFコード非適用船舶であっても放射線モニタリング装置の設備が要求されることがある。WGは、「1]放射性物質を運搬する全ての船舶に放射線モニタリング設備を義務化することを行わないこと」、及び「2]放射線モニタリング設備を装備している船舶については放射線レベルを測定することを推奨すること」を合意した。またWGは、除染に関する方法について検討しないことを合意した。

またクラス7に対するEmSは、IAEAから提出された案(DSC6/4/2)が容器の耐火性、耐衝撃性の説明がはじまる長文であったのを、ガイドラインの主旨にそって必要最低限の情報に短縮した。

(2) リチウム(UN1415)及びマグネシウム(UN1418)を運搬する船舶

WGは小委員会に対し、「リチウム(UN1415)及びマグネシウム(UN1418)を運搬する船舶は、通常の水またはCO2を使用する消火設備では消火できないので、必要量の不活性物質を用意しなければならない」旨をIMDGコード3.2章に追加することを提案した。

(3) 水と爆発的に反応する物質の取り扱い

WGは、小委員会に対し、本件に関する新たな検討が必要であることを提案した。「1]これらの物質は水消火システムを装備した船舶の甲板下に積載してはならないこと」及び「2]IMDGコードの積載要件は主として旅客の安全を考慮して付されているが、将来新たにこのような物質がIMDGコードに追加する場合には事故時の対応も考慮した積載条件を付することが必要であること」について検討する必要がある。また本件はFPにも情報提供する必要がある。

(4) 旅客船による爆発の危険性がある貨物(クラス1以外)の運搬

EmSガイドラインの検討の際、クラス1には分類されないが、大量爆発の危険性のある貨物が旅客船またはro-ro船で輸送されていることが明らかになった。本件は、WGの検討対象外であるが、その問題点を小委員会に報告した。

(5) プレナリーの結果

プレナリーにおいて、WGの結果が報告され、小委員会は報告を原則として承認するとともに、IMDGコード第31回改訂において本WGが作成したEmSを取り入れることが合意された。なお「(3)水と爆発的に反応する物質の取り扱い」については、既存の運搬物への適用について懸念が指摘された。

 

 

 

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