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それが2012年に終わってその先第2、第3といきますね。それがどういう形になるのか今全く見えていませんが、じゃあ仮にロシアの、経済状況その他わかりませんが、その先にいって削減目標がもっと厳しくなったときにどういうような政策をロシアがとるか、ということも1つのビジネスの計算としては、それまでに全部償却しちゃうからという話であればそれはまた別ですが。

 

F それはおっしゃる通りです。従って、ビジネスの世界ではどこまでのレンジでものを考えるかじゃなくて、待てよと、短期的に考えるとこれ日本の都合も出てくるわけですが、ロシアはゼロだね。そしたらロシアにとってみたらそこで事業を起こしたほうが雇用の促進にもなるし、ロシアに対する協力にもなる。結果的には短期的にみると日本での炭酸ガスの排出は少なくなる。このくらいのレンジでしか考えていないわけですが、こんなこともありますという1つの例でご紹介しておきます。

 

G 今の話を非常に興味深く思ったんですが、要するにどこの国でC02を出すかというのは何かごまかしだと思うんですよね。ロシアで発電して、その発電を日本で買えたら、日本の炭酸ガスはゼロになるということですよね。その通りなわけです。じゃあそれを広く考えていって、鉄鋼とかそういうものつくるのをやめて輸入すればいいわけですよね。もちろんそんなこといってももう高炉をつくっちゃったわけですからね。新日鉄があるのに、今更そんなことやるのは困るというのはもちろんそうだと思うんですよ(笑)。

そうやってやめちゃえば減るわけです。でも、結局鉄は使っているわけですよね。そうするとやはりEUの言っていることは何か間違いだと思うんですよ。基本的におかしいと思うんですよ。つまりどこの国でやったって同じはずで、ただその国ですでに投下したコストがあって、その投下したコストを回収できないから困るというだけのことですよね。だからやっぱり何か地球的環境問題なんだから地球的に考えるべきなのに、それを個別ごとに考えるという何かEUのアプローチはどうもおかしいんじゃないかなんていう気がいたしますが。

 

川口 おっしゃることはそういう考え方は非常にあって、それは先ほどのC先生のマージナル・コストを等しくするやり方が一番いいんじゃないかというのと合い通じるところで、現に途上国を参加させるべきであるということを言うときに、排出量が非常に多いからという議論もありますし、途上国にどんどん産業が国際的にシフトするだろうという危惧もあるわけですね。

 

 

 

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