IPCCだって政府ではないんですよね。政府と距離を置くところに意味があるんであって、それを政府が自らやる話でしょうかということは、日本だけではなくて世界的にそういうことであるというふうに私は思います。
それから90年というのは、私はおっしゃる通り第2約束期間、第3約束期間というふうになるにつれて、90年の意味は薄れていくというふうには思います。ただ、最初の段階でどの国もきちんとコミットして、実績をつくることが途上国との関係でも非常に重要ですしということがありますので、そういう意味で最初の基準年がどこにあるかということの議論の意味は、それはどういうことでどうなったかっていうのはいずれその筋の専門家にご議論いただければと思うんですが、これはむしろAさんにご議論が何かあればしていただくのがいいんじゃないかと思うんですが。
A もちろん長期的にはおっしゃった通りだと思いますが、やはりどこを出発点にするか、それから当面どれだけコストを払わなければならないか、それから技術革新が将来どういうふうに見通せるかということをいろいろ考えないとわからないんですが、90年でもどこでもいいんだっていうんだったら、またそれはそれで各国今から2000年にしようよってやるかといったら、それはちょっと待てという話になるわけでして、あまり深入りは必要ないと思いますが。やはりそれなりに意義があるんじゃないかと思います。
司会 何か補足していただくことありますでしょうか。よろしいですか。どうぞ。
B 1つは目標でありますが、この第2約束期間というのは、このままでいけば2013年から5年間ということになると思うんですが、京都議定書上は遅くとも2005年それまでには議論を始めるということになっているわけでして、従って、これからになるわけですね。何をベースにして、どういう目標にするのかというのは全くこれからであります。
それから特に途上国の参加問題というのも、大きな問題になる可能性は十分あります。では途上国インドとか中国というのは何をベースにどういう目標になるのか、彼らはやはり先進国との間の、まさに今日大臣がお話をされようとしていました南北問題というのがありまして、例えば90年なら90年をべースとして一律にというには、途上国にとっては耐えられない目標だと思うんですね。現在の南北格差を固定したまま、いわば将来の彼らの発展の可能性を摘みかねない目標になりかねないわけですから、やはり相当ドラスチックに考え方を変えていって、その公平な目標設定ということを考えていかないと、到底まともな議論にならないだろうと思います。