それからもう1つ、ソーシアル・サイエンスという議論があったんですが、IPCCのなかでの第3作業部会でもかなりソーシアル・サイエンスのテーマが入ってきていると思うんですが、これから日本としてどういう貢献が具体的にできるのかなあと。環境庁としては例えば国家計画のなかにもうちょっとソーシアル・サイエンスの部分を入れていくとか、そういうことってやってもいいんじゃないかと思ますが、いかがでしょうか。
川口 それぞれ答えを実は別の人に振ろうかどうかと思ったんですが、とりあえず私の思うことをちょっと申し上げます。非常に3点ともいいご質問だと思いますが、まずサプリメンタリティですが、サプリメンタルであるともちろん日本政府は思ってますし、現実こういうことですからそういうふうになるんですね。そこは全く事実問題としては議論の余地がないところです。それでその上で、ではなんで50%、どうせ半分以下なんだから、あるいはそれよりもっと少ないんだから、50%で合意しないのかと言いますと、実際にこれを運用していくということを考えますと、企業がどこまで参加するかといういろいろな問題がありますが、そこも国際的に合意があるわけではありません。やはりこの温暖化問題の性格からいって政府だけが一生懸命やるということではなくて、民間企業が参加し、消費者が参加し、もうすべての人間が参加するということが必要なわけですね。
そうすると企業が、ある商社さんがそこに参加をして取引をやった。では自分が何%分のことをやっているかということは全然わからないですよ。わからなくても、それは最終的なところの締めでそうなっていればいいわけであって、これが50%に引っかかりそうかどうかわからないようなことをルールがありますと、やはり取引の参加を阻害するであろうということだと、私は思っています。
今これについても、議定書にサプリメンタルと書いてあるだけでは十分ではないという考え方については、別な何か妥協というか、両方がハッピーになるような、ハッピーになるというか不満足にならないようなソリューションがないかという模索はしていますが、そういうことですね。
それから、IPCCでソーシアル・サイエンスというんですが、実は私はなんでそれは政府なのかと逆にお聞きしたいんですね。