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1人当たり目標なんてことになりますと、アメリカは日本の倍ぐらいありますので、それでやられたんではアメリカは非常に削減率は大きくなるようなことで、アメリカとしてはなかなか乗り難かったという面もあるんでしょう。

それで最後は工夫をいたしまして、人口増加の大きい国には一定のアローアンスをみられるような方式も実は考えてみたんでありますが、その最後の段階までアメリカ、EUとも賛成してもらえなかったというようなことで、最終段階に突入してしまったということでございます。ですから当初の日本政府の意図は、その通りにはならなかったということでありまして、我々は主張すべき点は主張したと思いますが、京都の最終段階では、やはり大勢が90年ベースの一律目標、結局各国それぞれの主張はあったわけですが、それを言い出すとなかなか目標設定の議論が収れんしない。やはりそれまでの国際環境政治といいますか、そういうなかでいろんな目標があったわけですが、やはりある過去の時点を基準年にして、一律ないしは多少は最下もあったわけですが、排出量の目標を立てるといういわば実績をベースにした目標設定の方式と、グランド・ファザーリングというんでしょうか、そういうような考え方がやはりもう通例になっておりまして、やはりそれしかもう一致できるやり方はない、限られた時間のなかでそれしかないというような主張が大勢でございまして、議長国としてそれを無視することはできなかったというのが事実でございます。

ただ、結果としてそれが日本にとって非常に厳しい目標設定の仕方になっていることは事実でありまして、その点は現在もシンクの交渉その他でそういうことは、決まったことではあるけれども、非常にこういうことなんだよということはよく説明して、それなりに日本の事情はわかるという理解は得ておりますが、そういう経緯であったということでございます。

 

A 私の質問が悪かったんでしょうね。90年というのは、なぜ最初に決まったのか。最後のほうで95年がどうかとかいう話をちょっと漏れうかがっておりますが、日本としてはですね。

そうじゃなくてなぜ90年というベースが、つまり例えばイギリスにとってみれば天然ガスに切り替え始めたのがそのころですから、どんどんそこから削減をできる状況にある。あるいは東独が入るとか、いろいろ状況がどちらかというとEUにとってはやや有利、で90年というのをベースにした根拠といいますか、どうしてそこに最初に落ちついたのだろうかという、どっかを基準にしなくちゃならないというのはよくわかるんですが、そこはどういうふうに統計がある程度確からしいとか、いろいろあったみたいなんですが何かよくわからないので。

 

 

 

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