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それでお配りした資料の2ページ目を見ていただきますと、資料の1というところで、これはUNDPの資料で92年の資料でちょっと古いんですが、世界の人口を所得分布というか人の分布で縦にとっていきますと、一番豊かな20%に属する、ちょっと国の数か人の数かはっきり認識しておりませんが、世界の所得の82%、貿易量の81%等々というものがほとんどそこに集中してしまっている。ほかの国々は、ほとんどそういうアクティビティが行われないような状況に置かれている、というのが世界の今の不均衡の状況であるということであります。

それで、先進国のほうは何かの条約で約束した技術移転なり、それから途上国が温暖化に適応するための措置のお手伝いを、人材の教育ですとかをやる必要があるという認識はありますが、具体的にいくらそのためにお金を出すかというようなことになると必ずしも足並みが揃わなくて、EUは特に非常に緑の党が強いですから、それについてはかなり環境という観点からは強い発言をしますが、ではそういうところで実際に支援のお金を出すようになるかというと、なかなか足並みが揃わないという状況であります。

それで南北問題についてかなり強い立場をとっていますのがアメリカでございまして、今実はCOP6が2週間ありますが、それでCOP6は最初の1週間は事務レベルの会議で、後半の1週間が閣僚レベルの会議ということになっていまして、私も19日から行こうかと思っているんですが、その会合をどういうふうに進めていくかという議論が、実は内々で行われております。内々でというのは国際的に内々で行われております。

そういう過程で出てくるのが、例えば1つの考え方というのは、全部の国が参加をして物を言うと大変に収拾がつかなくなるんで、いくつか今までやられていたケースでもあるんですが、こういうEUとかグループごとに分かれて、グループを代表してそれぞれどこかが発言するというようなことをやったらどうかという考え方もフロートされているわけです。これがどういうふうになるかわかりませんが、そういうときに例えばアメリカは自分の考えている考え方を代表して言ってくれるほかの国はないというぐらい、南北問題との関係では特異なポジションにありまして、これはご案内と思いますが、アメリカの上院が決議をいたしまして、発展途上国がコミットをしないというような状況だとアメリカはこの京都議定書には参加できないということを上院の決議で言っているわけです。

 

 

 

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