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EUが今日のどちらかの新聞にも出ておりましたが、11月7日にEUは環境大臣の会議を開いています。まさに昨日の夜やっていたわけですが、そこの結果がどうなったかというのを私もまだちょっと知らないんですが、今日のある新聞では例えばEUは罰金制度、コミットメントを守れなかったときに、ではどういうことを罰則としてやってもらうかということの議論のなかで、罰金というのをEUが言っているという話が出ています。

これも考えてみると、EUは非常に得な話でして、先ほど言いましたようにEUが1ヵ国守られていなくても、ほかの国と合わせて達成できていればその1国は罰せられなくてもすむということでして、他方でアメリカや日本は1国、1国でその排出量の削減を守らなければ、罰金になるのか何なのか、これは今国際会議の場で非常にもめている話ですが、EUが全体としてEU内で目標達成のつじつまを合わせることができる。これを称してEUバブルといいます。一時期そのEUのバブルということの議論が京都であったときに、ほかの国々もそれではEUバブルに対抗できるよう排出量取引を優先的に行っていこうという動きが若干あって、それがアンブレラ、1つの傘の下に国が収まるということで、グループの名前がついたんだと私は聞いています。アンブレラ・グループのなかにはここに書いてあるようなアメリカ、カナダ、豪州、ニュージーランド、それからヨーロッパではEUではないノルウェー、アイスランド等も入っているということです。

それで戻って途上国の話ですが、途上国はここに書いてありますが、先進国が歴史的には温室効果ガスを排出して経済成長をしたのに、排出削減を途上国に要求することに反発をしている。議定書に関する決定をCOP6で行うためには、枠組条約以来の約束である資金協力、技術移転等を実行すべしとの立場これは非常に強い立場でして、条約で先進国が技術移転ですとか、あるいは温暖化に対して途上国がとる対応策への支援をするということが書いてあるのを、全然実行していない。それから、先進国自ら、一部の国を除いては温暖化ガスの削減をまだやっていない、というようなことで非常に不信感、反発があります。

ですから温暖化問題の反発といいますか、問題を一番難しくしているのは、実は不信感ということが先にあるからです。ということでこの不信感をなくすということが、まず今度のCOP6をうまくスタートさせるために必要で、それで私が南北問題だと言っていることの1つの大きな理由です。

 

 

 

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