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ですから日本的に非常に難しい、いや問題も少し世界的なものにさらに加えて問題があるなっていうのを、この何年間か時間をかけて、日産生命以来で、うまくできたかどうか。できてない面もあると思うんですが、そろそろそういう側面からグローバルに考えて保険全体がうまくいくだろうかというところに、さしかかってきているのかなあと思います。

一方で、アクサが日本団体生命保険を買いましたんで、ドイツの保険業界はフランスに負けてはならじと、日本の保険会社をどこか買おうというムードが非常に今強いというような状況がありまして、日本の保険のマーケットがやはり世界で一番大きい。2番目というと皆さんの通念に合うと思うんですが、アメリカは50の州に分かれてやっておりますので、それで私のWTOのフィナンシャル・サービス交渉でもってアメリカを散々からかったんですが、例えばアラバマ州で保険業を開業しようと思うと、アラバマ州で8年以上シチズン・シップをもっていなければいけないとか、もう全くどこでどうなっているんでしょうか。東南アジアにもそんなに悪い国はないぐらいのことを平気でやっているアメリカを前提にしますと、日本の保険市場は世界で一番大きなシングル・マーケットであるというふうに言っていいかなと。

そうしますと、日本の自動車メーカーがアメリカに出ていったり、ヨーロッパに出ていった、日本のメーカーがEUが統合するんでそっちに出ていくのと同じ。でもって、ヨーロッパの連中からすると日本という大変魅力的なマーケットがあって、そこに入りこまなければいけないという現象が今起きているんですね。ですから、対症療法的に考えるなら、大分苦しいんですが人気はありますからもつんじゃないかなと。

一方で、本来的にじゃあ世界中の保険業者は大丈夫なんだろうかという意味では、日本もご多分に漏れず悪いということでございまして、じゃあ第3に今お話のあった生命保険契約者保護機構なんですが、このままでは生命保険がどうなるかわからないということで、結果的に公的資金は4,000億円を限度として入れようということになっています。ある意味では世論を喚起して、預金保険機構ほどに充実するということはなかなか難しいかもわかりませんが、一時公的資金に頼るというのもやむを得ないんじゃないかということはそれなりにおわかりいただけたのかなあと。

 

 

 

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