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恐らく銀行のバランスシートに影響するということからすると、中小企業者のもっておられる土地担保なんかがですね、一番影響するんだと思います。大企業の場合でも土地担保はあるわけですが、大企業は土地担保というよりは、その企業全体の評価ということのほうが前面に出てくる。そうすると中小企業者のもっている土地がどうかっていうと、いわゆる東京でいう商業地の地価がどうなるかとか。東京以外の地域の一般的な土地の水準がどうなるかと、こういうことが金融セクターに影響する。こんなふうに捉えておいたほうがいいのかなというふうに思っています。ちょっとお答えにならないんですが、そんなふうなことしかちょっと今のところ言えません。

それから、保険のほうなんですが、今日は銀行中心にお話しいたしましたが、残念ながらいくつかこれも破綻が起きました。こういう言い方をするとよくないんですが、前々からアナリストの皆さんが危ない危ないといっているところがつぶれたと私は思っています。まだあるだろうとおっしゃるなら、まだあるのかもわかりませんが。

しかも、銀行のこの1年半ぐらいの動きに遅れて保険がいわばいろいろ動き出した。これは損保も考えるとちょっと正しくありませんが、生保中心に考えていただければ、やっぱり銀行よりもっと息の長い仕事をやっておりますので、そういうことで今ごろ現れてくるのかなあというのと、一方で銀行のこの1年半ぐらいの生き様をみてきましたので、かなり傾向と対策というか、一生懸命やっていただいているというようなことで、これは成功例だからいいんだと思うんですが、千代田火災とかなんとかもトヨタさんと仲良くして、しかも東京とくっついてとか、ひところだったらこういうのが決まるのに10年単位で決まっていたんじゃないかと思うんですが、銀行のほうがこの勢いでいろいろやっていましたんで、保険の業界もそういう意味で前広に対応するというんでしょうか、いろんなことをやっていただけた。

さっき朝一番で司会者の方とお話しして、やはり何社かつぶれるとピシッとしまりますよねって、そういうことを私が言っちゃあいけないんですが、そういうようなところもありましてね、保険も確かに本来的に考えて預かっている保険の予定されている利回りと今運用する利回りの差があまりにも大きいですから、大変問題なんですが、この間話していたら「いや、アメリカの保険会社もそうなんだ。ドイツの保険会社もそうなんだ。これは世界的な現象だ」といって私は慰められたんですが、それで落ち着いちゃあいけないんですが、そういう感じなんですね。

 

 

 

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